第164話
短ーいよ
少し話しただけで見え隠れする京弥に対しての好意。私はメイドさんのその様子をコーヒーを飲みながら眺める。お帰り直後のお嬢様である私達を放っておいて表情を変えるのを見るのはなかなか楽しい。
ふと京弥が消えていった裏の方を見てみる。すると仕切りの隙間からちらりとこちらを覗き見る京弥の目と合った。
何してんだあいつ。
そんな気持ちがすぐに沸いて出る。仕事をしに行ったのではなかったのだろうか。あれではサボっているのと何ら変わらない気もするし。
私はスマホで京弥に『覗いてないで仕事しろ』と送る。するとその連絡に気が付いたのか京弥は少し焦った様子で仕事に戻った。
ふふっ、バカヤローめ。
1人で頬を緩ませるとその様子を見たメグさんとメイドさんは不思議そうにこちらを見た。
「何かありましたか?」
「いや、別に何も」
「そうですか?」
少々納得していなさそうなものの、メイドさんという立場上それ以上追求してくる事はしない。
主従関係最高。
1人その優越感に浸りながら私はまたコーヒーを飲むのだった。
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