第161話
第161話です。
スマホで時間を確認する。
「よし、行くか」
俺はそう言うと近くのクラスメイトに抜ける事を伝えて校門に向かった。道中でたくさんの生徒達とすれ違う。確かにこれは俺か、先輩の案内が無いとアスナさん達だけではキツかっただろう。
校門に着くと私服に身を包んだ2人の姿が見える。黒いパーカーに身を包んで、キャップを被ったアスナさんと、すんっとした様子で隣で佇むメグさんだ。
メグさんはあれで馬鹿みたいに緊張してるから本当に分からない。傍から見れば女も惚れるクール系美人なのだから。
「お待たせしました」
小走り気味に近付くと、アスナさんがスマホから顔を上げた。俺の事を認識すると少し表情を明るくする。
「久しぶり、京弥。来たぞ」
「ですね。久しぶりかどうかと聞かれたら、ゲームで何回も会ってるから微妙なところだけどね」
「ふはっ、確かにな」
ケラりと笑いながらアスナさんはメグさんの肩に手を乗せる。
「メグさんもお久しぶりです」
「は、はいっ。お久しぶりです……」
「まだ、慣れませんか?」
そう聞くとメグさんは親指と人差し指の間に少しの隙間を作る。
「そうかぁ……。まぁ、先輩やアスナさんと違って関わりが少ないですからね、仕方がないです」
「だ、だけどっ!まだ、前よりかは、大丈夫……です」
その言葉の通り、確かに以前よりかは話しやすくなっている。
「まぁ、ここで話すのもなんですし、周りませんか?多分楽しいですから」
「そうするかな。あ、そうだ。京弥のクラス行こ」
「俺のクラス?」
「うん。前に私のクラスに来てたんだし、いいだろ?」
「いや、まぁ、悪くは無いけど」
アスナさんのクラスと被ってるんだよなぁ。違う点はお客かキャストさんかの違いくらいか。
「メグさんもそれでいいですか?」
そう尋ねるとこくりと頷く。
俺は2人の先導役を務めるために前に立つと歩き始めた。
「じゃあ、着いてきてください」
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