第117話
第117話です。
さて、おなごの柔肌とやらを皆さんは体験したことがあるだろうか。スベスベでモッチりとした柔らかい肌。特に太ももはそれが顕著に現れる。そこに頭を乗せてしまえばたちまち極楽の世界だ。女の子特有のいい香りから眠気を誘い安眠効果が……と、語りすぎて変態になってしまうところだった。おや?もう変態だって?気のせいではなかろうか。
「どうだい後輩くん、久しぶりの膝枕は!」
「柔らかいです」
「でしょ〜。きっと安眠効果も抜群だよ!」
「でしょうね」
事実前回してもらった時も、というか居眠りをしていた時に先輩が勝手にしてくれていただけなのだが、その時も眠り心地が良かったせいかかなりの長時間寝ることが出来ていた。先輩の言う安眠効果はあながち嘘ではない。
「ほら、あとはゆっくり寝てなね〜。着いたら起こしてあげるから」
「でも、先輩も疲れてるんじゃ」
「私はいいの。後輩くんに着いてきてもらってる身だしね」
「そういうもんですか?」
「そういうもんです!」
へらっと笑いながら先輩はそう言って髪の毛をサラリと撫でる。
「だから、後輩くんはゆっくりしててね」
「……じゃあお言葉に甘えて」
そう言うと俺は目を閉じた。
◆◇◆◇
私の膝の上から寝息が聞こえ始めた。どうやら後輩くんが寝始めたらしい。
サラリと髪の毛を撫でやりながら私は「ふふっ」と笑う。
今日はかなりいい収穫があった。ドラムのメグさんにベースのアスナちゃん。なんだかアスナちゃんは後輩くんのことを気に入ったようだけど、後輩くんは私の後輩くんだ。そう簡単に譲らない。
などとそんなことを考えながら私は車窓の外を眺める。快速ということもあってか、大阪の建物が沢山立ち並んだ景色から自然の景色の方が目立ち始めた。
そんな景色になってからさらに1時間ほど電車に揺られないと帰れない私達の田舎が恐ろしいと思いながら、もう一度髪の毛を撫でる。
帰ったら早速3人での打ち合わせだ。もっと細かいことを言ってしまうと決めていくのだ。
将来のため、夢の切符を掴むために。
ぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!次回は18日です。