第101話
第101話です
新しいクラスで新しい担任の長たらしいホームルームを聞き終えた後には体育館にて始業式が行われる。それも適当に聞き流すだけ聞き流すと、あとはプリントだけ今日は貰って帰宅だ。部活をしていない人間は午前で帰れるのが何よりも嬉しい。
がしかし。俺はいつも通り直帰はせずに屋上に向かうのだった。
「先輩どうもです」
「お、後輩くん」
ベンチに座りながらギターをジャカジャカと引いていた先輩は首をこちらに向けて笑顔を浮かべた。
「どう新しいクラスは?」
「まぁ、普通です。先輩はどうですか?」
「んー、去年と似たようなものだよ。文理選択で元々一緒になる人の数も減ってたからね」
「あぁ、確かに」
この学校には普通科しか存在しないものの、比較的理系科目に関する設備が整っているということで、理系に行く生徒が他校に比べて多い。なので俺や先輩のように文系の方に進むと同じクラスになる人がかなり絞られるのだ。
「まぁ、知り合いが多い分過ごしやすいけどね」
そうとだけ言うと先輩はまたジャカジャカとギターを弾き始めた。
「今年が勝負ですね」
「……そうだね」
何がとは決して言わない。俺と先輩の中には同じ事しか思い浮かんでいないのだから。
「資金集めは引き続きと、音楽の練習。あとはオーディションの事も少し考えましょう」
そう残すと俺は先輩に別れを告げて足早に帰宅した。
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