第肆拾壱話:奴隷救出作戦 ~其の壱~
長い間待たせてすいませんでしたッ!!
ようやくやる気が出てきたので再会します。
空母加賀に帰還した『神雷』のパイロット二名は、海田艦長に帰還したこと、亜音速の速度で飛ぶ『神雷』に、追いつくことができる竜騎兵がいることを報告した。
「ご苦労だった。神御田、栗原。すまんが、また出撃命令を出すやもしれん・・・それまで少し休んでおけ。」
「「ハッ!では、失礼します。」」
二人は敬礼すると持ち場に戻っていった。
「さて・・・。帆や黒煙を上げて進む大艦隊など恐るるに足りんと思っていたが、やはり異世界・・・そういった技術面の遅れは魔法で補っていたか・・・。」
艦長がそうつぶやくと、山口提督はもう一つの懸念材料を口にした。
「問題は、なぜ中世ヨーロッパにしか存在しないような帆船と空母らしき船が一緒に航行しているかだよ海田君。」
「電子小説よろしくこの世界には、我々が住む現代の知識を持ち込んだ何者かがいるということですか?」
提督は深く頷いた。そして、それを解明するには空母らしき船を拿捕する必要があると判断した。
ちょうどその時、艦橋のドアを開けて通信兵が入ってきて敬礼をした。
「失礼いたします。」
「どうした?」
「報告します!駆逐艦『雷』艦長、洲崎咲綾中佐からの伝言です。」
「彼女は何と?」
「ハッ!捕虜の証言で、我が帝国海軍が戦っている敵武装勢力は、この世界の主要国家クラウドペガサス帝国海軍の精鋭部隊であることが判明しました。そして、その旗艦である蒸気戦闘艦『ハイザーキ』には・・・亜人部族数名が奴隷として十数名ほどとらわれています。よって、敵勢力にとらわれている亜人部族の救出のための出撃命令の許可を求む・・・以上です。」
「それは、確かな情報かね?」
「ハイ!平賀中将閣下が開発された嘘発見器『閻魔の笏』で調べたところ、結果は白でした。」
嘘発見器『閻魔の笏』とは、平賀博士が30年ほど前に開発したもので、尋問をスムーズに終わらせることができる。形は、名前の通り閻魔様が持っているとされる笏とほぼ同じで、これの先端を尋問を受けている者の頭に当てて脳波を測り、真ん中の灰色のモニターが白か黒かを判別して『白』、もしくは『黒』とそれぞれ白文字、黒文字で表示する博士曰くとてもシンプルなものである。
しばらくの沈黙の後、艦長は提督にこう言った。
「山口さん・・・ここから先は、長年一緒に苦難を乗り越えてきた唯一の友として忠告しておきます。この命令を出せば、私もあなたもたとえこの戦いに勝ったとしても、日本に帰れば無事では済まされないでしょう・・・。」
その意図を組んだ提督は、声を出して笑った。
「何をいまさら、栄えある神国の軍隊に入隊したころから覚悟はしていますよ。」
「それもそうでしたな、なんたって我々は軍政日本時代を生き抜いた古強者ですからなハハハ・・・。」
ひとしきり笑いあった後、艦長は立ち上がってポカンと突っ立っている通信兵に対してこう告げた。
「雷、響、電、暁すべての艦長に伝達!これより、我が第六駆逐隊は敵勢力の無力化を行うとな!」
「了解しました!」
通信兵は、敬礼をしてその場を立ち去った。
そして、艦長は椅子に座りなおして覚悟を決めた目つきで異世界の大海原を見つめた。また、それは提督も同じであった。
一方ゲッツ率いる第一飛竜空挺部隊は、鉄竜が飛んでいったと思われる方角に向かっていた。
彼は、ドッグファイトで負けたのがよほど悔しいのか、先程からずっと仏頂面で飛竜の手綱を握っていた。
「ん?なんだ・・・。」
その時、ゲッツは、高速でこちらに向かってくる飛行体の群れを目撃した。
人が乗るにはあまりにも小さすぎる白き飛行物体は、的確にゲッツ以外の戦闘員に体当たりして無力化していった。
「なっ!?」
気が付くと、半数がすでにやられ後ろには物言わぬ死体となった仲間が浮かんでいた。
「クソったれェ!!!!」
・・・・・
その頃、同時に空母加賀の探知機に表示されていた無数に存在していた点が次々と消失していった。
「目標、半数沈黙。」
海田艦長:「・・・さて、彼らはこれで引いてくれるだろうか。」
提督:「そうしてくれるとありがたいのだが・・・。」
だが、一向に方向転換する気配がなく、真っすぐこちらに向かって飛んできている。
「駆逐艦の噴射式誘導弾も数に限りがあるが致し方ない。」
艦長は、提督と相談したのちに六隻の駆逐艦に搭載されている噴射式誘導弾を使って攻撃目標をすべて沈黙させるよう部下に命じた。
「ぜ、全部でありますか!?」
「全部ではない。可能な限り、節約せよと伝えるのだ。」
「りょ、了解であります。」
部下は、敬礼したのちに各駆逐艦に対して電文を送った。
駆逐艦『暁』の艦長である洲崎綾乃は、空母加賀から送られてきた電文を部下が読み終わった後、先程と同じように敵一騎に対して誘導弾一発を目標に準備に取り掛かるよう砲雷長に呼びかけた。
その頃、雷の参謀予備室で待機していたベルノルトはおもむろに立ち上がり、この船の甲板に出たいと言い出した。
「甲板に出てどうするんだい?」
「この目で君たちの戦闘を見てみたい。」
そう言った彼の目は濁りの無い瞳をしていた。
「行かせてやりなさい。」
「し、しかし平賀中将閣下・・・わ、わかりました。」
ベルノルトは、平賀中将と監視役の徳島と為栗に誘導されながら甲板を目指した。
「発射準備完了しました!」
「よーし・・・テーッ!!!」
それを合図に、四隻の駆逐艦から一斉に誘導弾が発射された。
私は、マイペースでズボラなので、また、更新速度が落ちることがあるかもしれません。
ですが、評価や感想などをもらうと速度が上がるかも・・・。




