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旭日の惑星  作者: 小林ミメト
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第参拾伍話:逃避行

帝国の兵士クロノラーズの襲撃によって、ゴドナベツ国の大図書館周辺は阿鼻叫喚の地獄と化した。


彼の後に合流した仲間と、クロノラーズが特殊スキル『統べる者』で玩具にしたハイゴーレムや『ヘル・ファイヤー』の元メンバーによって、周囲の家々の破壊工作が行われた。あるものは小銃で、またあるものは手榴弾で破壊していった。


図書館を破壊しなかったのは、後々ここを完全に占拠してここに眠る無尽蔵の知識を自分たちのものにするからである。


だが、宗教関連の本は引っ張り出され、図書館の前で燃やされてしまった。


「ヒャッハー!汚物は消毒だ!!!」


などと、どっかの世紀末のモヒカンみたいなことを言っている兵士もちらほらと・・・。


「ああ、大事な本が・・・。」


半泣きになりながら、地べたに座る老人に向かってクロノラーズは威嚇した。


「うるせー!死にたくなかったらそこに座っていろ!!」


「ひいっ!!」


一方、村のみんなの協力で裏口から脱出した七人がいた。


館長のネビュラ、秘書のキャメル、漁師のジョン、メイドのウラカン、鍛冶屋のフィンタ、そしてコンヒーロ姉妹だ。


「本当にすんまへん!うちらがあんな強力な銃を発見していなかったらこんな被害は・・・。」


ネビュラは、涙を流して自責の念に打ちひしがれるプランチャの肩を優しくたたいた。


「気にするな。やつの能力が一枚上手だっただけのことだ。」


「そうですよ。コンヒーロさん。過ぎてしまったことは仕方ありません。」


プランチャは感謝の言葉を言いながら涙を拭いた。


「それよりも、一刻も早く族長のいるウォ・ダーラ市へ赴いてこのことを知らせねーとな。」


彼らは、万が一のことも考えて一人ずつに64式小銃か89式5.56㎜小銃、そして手榴弾数個を所持していた。


深い森に入りなおも進んでいくと、いきなり体長三メートルくらいはある強大な緑色の体毛をした熊がぬっとあらわれた。この森一帯を縄張りとしているスモウベアだ。


ちなみに、このスモウベアとはもともと名前がなかったドワーフたちにとっては滅多に取れない高級食材でもある熊で、とある流れ人が名づけた。


もともと緑色の体毛が、物件探しのマスコットキャラなるものに似ていたからだとか。


「ギャアアアア!!!」


トペは、そんな巨体の怪物がいきなり茂みから出てきたものだから大声を出してしまった。


「馬鹿!大声を出すな!!」


もちろん、熊なのでトペの黄色い声にびっくりして立ち上がり「グオオオーーー!」と吠えた。


プランチャは、とっさに小銃の安全装置を『ア』から『3』に変えてスモウベアの心臓めがけて撃った。


スモウベアは、断末魔の叫びをあげて倒れた。


「よくやったぞプランチャ!!!」


「姉御ォ・・・おおきに。」


見ると、トペは腰が抜けたのか女座りの状態で動けずにいた。太ももの内側からは聖水が流れており、彼女はそれをほかの人に見られないように必死で隠していた。


それを姉の勘でいち早く察知したプランチャは、トペの前に立ちながらスモウベアを指さしてみんなの注意を逸らした。


「よ、よし!じゃあ今晩のメニューはこれを使ってあたしたちが料理するわ!!」


これも、また女の勘で察したキャメルは自分も手伝うと言った。


それを聞いた男たちは大いに喜んだ。


「よっしゃ!!そうと決まれば俺たちが薪をとってくるぜ。な!ジョン。」


フィンタは、親友のジョンの肩をバシッと叩いた。


「ああ!!久々の御馳走だぜ!!!」


「私も一緒に行くわ!」


「あのー、私は何をすればよいでしょうか?」


「では、館長は私と一緒に血や内臓を抜く作業をお願いできますか?」


ネビュラは少し青ざめたが、巨大な丸太を持ち上げられるほど鍛えてはいないのでしぶしぶ了承した。


皆、それぞれの夕飯の支度が終わり空も暗くなり始めたころ、あとは火をつけるだけとなった。


着火は、火炎魔法を習得しているネビュラが担当することになった。


「ライター!」


彼がそう叫ぶと、右手から中くらいの火の玉が飛び出して薪に着弾した。


「やりますねえ。」


お花摘みから帰ってきたコンヒーロ姉妹も加わり、談笑しながらの食事が始まった。


「うまいけどなー。できれば塩をかけて食いたかったぜ。」


「贅沢言わないのフィンタ!私たちは今、逃避行中なの。こんな高級食材を食べれるだけでも感謝しなきゃ。」


その様子を、一匹の翼竜が偵察するように旋回して再び彼らの目的地に向かって飛んでいった。


「!」


「どうした!ウラカンちゃん?」


「今、翼竜が上を飛んでいたわ。」


その言葉に一同はざわついた。


「何?帝国軍の翼竜か?」


「ううん。暗くてよく見えなかったけど、人は乗ってなかったわ。」


そう、先程の翼竜は帝国軍のものではなくガツマーが使役する召喚獣なのだ。


「あ、戻ってきたでゲス。」


「やっとか!待ちくたびれたぞ。」


ここは、サウザンド・リーフ公国の中央都市から外れた場所にある丘。ここで、ガツマーと富士見、オードリーの三人が偵察に行った青い翼竜の帰りを待っていた。


「グルルル・・・。」


俺が、愚痴をこぼすと俺のことをにらみつけながら唸った。


「おーよしよし・・・何々?」


ガツマーは、まるでペットをあやすかのように翼竜の鼻先をなでて落ち着かせた。


「一日中飲まず食わずでドワーフの村々を回ってきたのに、愚痴を言うなんて信じられない。・・・か、ゲシャシャシャ!!そうかそうか。」


「グルルゥ・・。」


「でも、私はお前さんのことをちゃーんとわかっているでゲスよ!ロンロンちゃん。」


ロンロンと呼ばれたドラゴンは、猫なで声を出しながらウロコ肌をガツマーにこすりつけた。


「おまえ、本当に龍を手なずけるのがうまいな。」


「当たり前でゲスよオードリー殿。私は龍使いなんでゲスから・・・それに、こいつは私めが初めて召喚獣にした雌の龍なんでゲスよ。今では、家族みたいなものでゲス。」


 「え?雌だったの?まるで分んねえな。よくその時、雌だってわかったなガツマー。」


 俺の言葉が逆鱗に触れたのか、目にもとまらぬ速さで俺の顔に引っかき傷をつけた。


 「痛ってエエエエエ!!!!」


 「言葉選びには気を付けた方がいいでゲスよ。この子はほかの龍よりもプライドが高いんでゲスから。」


 俺は、あふれ出る血を抑え、零れ落ちた目玉を元に戻しながら、なんとか受け答えをした。


 「わ、悪い善処す・・・る。」


 「まあ、ドラゴニュートだったからわかったんでゲスよ。」


 「ドラゴニュートって・・・あの、人の姿をしたドラゴンのことか?」


 ガツマーは、頷くとロンロンに変身を解くよう命じた。


 真っ暗な視界の中で、アニメでたまにある昇天音のような音がすると。オードリーの口からとんでもない言葉が飛び出た。


 「服を着ていないだと・・・。」

最近、獣から獣要素を少しだけ残したまま、あるいはまったくない人間の女性に変身する系の小説が多い気がするのは私だけでしょうか?・・・ということで私も書いてみました。


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