サボり魔
日々の出来事で深く考えれば面白くなりそうなことを文章化したものです。
以前父が話していたことだ。
携帯ショップのアンケートで「接客が良くない」にチェックを入れたら、電話がかかってきて何が悪かったのかと問われたそうだ。
これのシステムに父は驚いたとのこと。
ここまでがノンフィクション。以下は自分の想像。
この話を聞いて自分は思う。このシステムを考えたのは超サボり魔なのではないかと。
階級は恐らく現場と上層部の間。中間管理職辺り。現場の業務も行い上にも顔が利く者。店舗勤務内か、本部においての中間管理職かは知らないが。その氏が上に言ったのだ。
「アンケートで低評価をされたお客様が居れば、そこにお電話して原因を聞いて改善のデータにしよう」と。
上からすれば妥当な改善策に見える。実際受け入れられたのだろう。しかしこれは体よくサボる為のものだ。
恐らく、低評価を付けられる度に氏が改善を求められるのだから。
アンケートに記述欄を設けても具体的に一々書いてはくれない。面倒だからだ。しかし実際に電話までされては邪険には扱われる確率は減る。改善点の情報を客から得やすくなる。
しかしこれはサボりたいが為の建前だ。客からすれば、低評価を付けると電話がかかってくるのだ。応対は面倒だ。すると次回からは「余程のこと」がない限り最高評価をする。
となれば、今回はともかくとして、電話をかける彼の仕事は減る。
この策の凄いところは、改善を建前とし、真の意図に気付かせないだけではない。本当に改善効率を上げてしまうところなのだ。
先のアンケートでは「余程のこと」以外は低評価は生まれない。
すると細かな傷は見逃され、本当に重要な「余程のこと」が優先して炙り出される。これは電話がかかってくる面倒を理解した上でも低評価をするのだから相当頭にきているものだ。
そこに企業はリソースを使える。そちらの方が効率的だ。
結果彼は評価される。しかも自分の仕事を減らしながらだ。
サボり魔氏は他にも沢山のサボり術を考え実行しているのだろう。是非一度お会いしてその全てをご教授願いたいものだ。