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暁の決意 3

 夕姫は水辺に腰かけるとその水面を見つめた。


気が付いたらマンションの屋上にいた。

その前は気が着いたら病院にいて、すぐに精神科医のカウンセリングを受けることになった。

先生の所へいったことは覚えていた。

その後の記憶がなくてそして再び気が付いたときにはそのマンションに来ていた。

そして、屋上に上がってそして壁によじ登った。

目的はあった。

見下ろした町が思ったよりも眺めがよくてしばらくそれを眺めていた。

自分の生きていた町だから色々なことを思い出した。

日が落ちてきて誰かが後ろから声をかけて来た。

しかしそのあたりからまた記憶がない。

日が昇った頃にそのコンクリートの上で気を失っていたところ目を覚ました。

その屋上の花壇にはコスモスが咲いていたが、一部が壊れていて無残に何十本かのコスモスが散らばっていた。

夕姫はそのコスモスの花を一つだけ握ってふらふらと歩いた。

その池のある公園まで長い道のりを昼頃まで歩いた。

おそらく朝早くではあったが真っ白なワンピースにサンダルで歩く夕姫を見て奇異に思った人はいただろうが、それは気にならなかった。

夕姫はただなんとなくとぼとぼと歩いた。

歩いているうちにふと夕姫はある場所を思い出した。

自分の暮らしていた地域より離れてよく記憶している静かな場所といったらそこしかなかった。

もう家には帰れないと思った。

自分はきっと何かをしてしまったのだとわかった。

はっきりと覚えていないが夢のように断片的にその映像が浮かんでくる。


その断末魔の叫び声が頭の中で鳴り響く。

もうしおれてしまったコスモスの花を見つめて夕姫は痛いような顔をしていた。

夕姫はその頭の中の光景と過去の記憶をダブらせていた。

まるであの時のような赤い世界は夕姫の心の傷を抉るようだった。


それは2年半ほど前の話だった。

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