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暁の決意 2

 北中学校に転校して来た梨奈は転校するたびに身に付けていった処世術で学校にすぐに馴染んでいった。

元々梨奈は明るい性格の上にサバサバとしておりそれは人をひきつける部分であった。

そんな梨奈が転校してから二週間ほどが経った頃梨奈は一人の女生徒に興味を持った。

それが夕姫だった。

大人しくて可憐なイメージのある少女で当時夕姫に親しい友達はあまり居なかった。

笑顔をあまり見せることもなくクラスの生徒は彼女のことをあまり知らなく馴染むこともなく、孤立していた。

さして噂も流れることもなかったが夕姫はクラスで浮いた存在だった。

そんなある日、梨奈は家に帰る途中で夕姫を見かけた。

夕姫はその建物に入っていった。

梨奈はてっきりその建物の一室が夕姫の家なのだと勘違いしていた。

違う日に見かけたときには夕姫は梨奈の家へ向かう方向の途中の一戸建ての家に入っていった。

梨奈はその家の表札が「時任」となっていることで夕姫の家がそこであることがわかったが、その建物にはなんで行っているのかというのが疑問であった。

そして梨奈はまた夕姫がその建物に入っていくのを見かけて気になって夕姫の後を付けるとその屋上について、その花壇の世話をしたり空を見上げたりしている姿を見た。

その夕姫の顔は梨奈がその時まだ見たことのない笑顔で、驚いてしまった。

まるで天使のようだと思った。

そして梨奈はそこで話しかけた。

夕姫は人が見ているとは思っていなかったらしく非常に驚いていたが、その顔も意外で梨奈には可愛らしく感じた。

夕姫は梨奈を受け入れその花壇に咲く花々の話をしていたという。


「梨奈ちゃんも夕姫ちゃんが天使みたいだって思ったんだね。」

勇気は少し笑いながら言った。

それを聞いた梨奈は苦笑いした。

「水野君、もしかして夕姫に一目ぼれしたの?」

梨奈は冗談でその言葉を口走った。

「え?!…あ…その…でも、あんなことあったし、別に…。」

勇気は梨奈が思った以上に取り乱した。

その様子に梨奈は目を丸くした。

「いいよ。人間だもん、そういうこともあるよね。」

梨奈はフォローになってないフォローを言って二人の会話は一時中断された。

その間に耐えられなくなった梨奈は再び話を始めようと切り出した。

「夕姫がここに来るのはある事件があったからなのよ。それを聞いて私はどうしようもなくて、だけど一緒にいたいと思った。あの子すごく優しい子なの…繊細だけどすごくいい子なの…。助けなきゃいけないの…」

梨奈はそう呟くと今度は夕姫に聞いたその話をした。

それは夕姫から光を奪った原因だった。

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