第3章 竜王祭閉幕★1★
目を覚ますとそこは見たことのあるオレンジ亭の部屋だった。外はうっすらと夜が明け始めている。俺のベッド脇にはミネアとユキネさんが寄りかかって寝ている。身体を起こそうとするが全身に激痛が走る。
「うっ!」
俺が痛みで咄嗟に声をあげたため、ミネアとユキネさんは目を覚ました。二人の顔がとても近くに来る。
「ユウキ!大丈夫?あの魔族を追い払った後倒れて、回復魔法を皆が使ってくれたんだけど中々目を覚まさないからすごい心配したんだよ」
ミネアが目に涙を浮かべながら俺に話してくる。ユキネさんも頷きながら同じように涙を浮かべていた。
「俺はどれくらい寝ていたんだ?」
「ユウキさんと師匠が魔族を追い払った後から1日半位です」
「そんなに寝ていたのか‥‥‥心配かけてごめんな。大会はどうなったんだ?」
「大会の運営側は、ユウキさんとミネアさんの同時優勝にすると言ったのですが、ミネアさんがユウキさんと魔族の戦いを見ても私が勝てると思いますか?って運営に意見して優勝はユウキさん、準優勝がミネアさんと言うことになったんです」
「ミネアもそんな事を言わなくても良かったのに」
「私はユウキが心配でしょうがなかったんだもん。あの魔族との戦いを見てそんな事を言ってくる運営にも頭にきたし」
ミネアはそんな事を言って俺に抱きついてくる。普段なら胸が当たっている等とエッチな事を考えたりするのだが‥‥‥
「痛い痛い!ミネアちょっと待って!」
「あっ!ごめんごめん」
俺はハイヒールを使い治りきっていない傷や身体の痛みを治す。ルシフェルに貫かれた傷跡は少し残ってしまったが身体を動かしてみても痛みはなく完治したようだ。
「ユウキさんはすごいですね。この国の魔導師や大会に参加している回復魔法を使える冒険者が完治させることが出来なかったのに」
「ユキネさんもあんまりこの事は秘密でお願いします。教会の神父や魔導師よりも強力な回復魔法を使えると知れると権力者が色々ちょっかいを出してきそうなんで」
取り敢えずユキネさんとミネアには朝御飯を一緒に食べ、今後の予定を決める約束をしそれまでは休んでくれと部屋に戻ってもらった。
「きっとルシフェルとはまた戦うことになりそうだな。今のままだと皆を守れないな‥‥‥」
これからミネア達と一緒になるにしても今のままでは自分の大切な人を守ることすら出来ない事が悔しく、俺は拳を握りしめもっと強くならないといけないと強く思った。
外が明るくなると部屋をノックする音が聞こえた。
「はい、どうぞ!」
扉を開けたのはユキネさんとゴエモンさんで朝食の誘いに来てくれた。ミネアは俺が大丈夫だった事に安心して寝過ごしたらしく先に行っていてくれとの事だったらしい。俺達は食堂へ向かった。




