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第1章 転生しました‼ ★9★

俺は薬草採取を終えカルナディアに戻ってきた。そのままギルドに向かい中に入ると冒険者らしき人は二人程しかおらず、どちらも依頼書とにらめっこしていた。俺は受付の娘に薬草採取の完了を報告する。


「お疲れ様でした。って、肝心の薬草は何処ですか?」


「今出しますね」


俺はアイテムボックスのスキルを使い薬草を取り出しカウンターの上に置く。このスキルはアイテムボックスと言う名前だが、特にバッグ等があるわけではなく黒く歪んだ空間ができ、その中に手を入れ、取り出したい物を思い浮かべると取り出せる。アイテムボックスに入れる時は、軽く光り消えるだけだが、取り出すときは空間が歪むので受付の娘が驚いた。


「何ですか!今の!?」


「ただのアイテムボックスのスキルですけど‥」


「それって激レアスキルじゃないですか!私持ってる人初めて見ましたよ!」


(やってしまった。まさかそんな激レアスキルだったとは。なら他のスキルも見せたら不味いかな)


「あまり大きな声で言わないで下さい。後、出来れば個人情報なので内緒にしてくださいね」


俺は受付の娘の耳元で話すと彼女は顔を真っ赤にして何度も頷く。どうやら他の冒険者も気になったようだか何が起きたのかは見てなかったようだ。


「あの、此方が報酬になります」


受付の娘は、とろんとした目で20銅貨を出してくる。手を出し受け取ろうとするとそのまま手を握られてしまった。


「・・・ご、ごめんなさい。私ったら‥‥」


「い、いえ。後1つ聞きたいんですけど、倒した魔物とかって買い取りはしてないんですか?」


「そちらもしておりますよ。ただ引き取りは隣の建物になってますので。初めてなのであればご案内しますね」


「助かります」


俺は受付の娘と一緒に隣の建物へ行く。隣と言ってもギルドの中からも繋がっているし、外からも専用の入り口があるらしい。台車等も数台あり冒険者達は、狩った魔物は大抵その台車を借りて運んでいるらしい。受付の娘が魔物買い取りのカウンターの女性に話しかける。


「レイラさん。こちらのタカミヤ様が魔物の買い取りをお願いしたいそうです」


「ユーリじゃないか。その男は‥‥あんたも隅に置けないねぇ」


「な、何を言ってるんですか!タカミヤ様は素敵な男性ですけどまだそんな‥‥‥って何を言わせるんですか!」


「ごめんごめん。んであんたは初顔だねぇ」


「初めまして。今日、冒険者になったばかりのタカミヤユウキと言います」


「あたしはレイラだ。このギルドでの魔物の買い取りから解体迄担当している。よろしくな」


「レイラさんは、ギルド長のライルさんの奥さんなんですよ」


「そうだったんですか」


俺は二人に鑑定をかけてみる。



レイラ・ファーレンハイト

年齢 36 LV 45

種族:人間 職業:ギルド職員

体力:382

魔力:145

筋力:214

耐久:189

俊敏:165

スキル: 〔剣術LV4〕 〔風魔法LV3〕 〔水魔法LV3〕 〔料理LV5〕



ユーリ

年齢 18 LV 10

種族:ハーフエルフ 職業:ギルド職員

体力:82

魔力:165

筋力:25

耐久:21

俊敏:40

スキル: 〔水魔法LV2〕 〔光魔法LV1〕 〔聖霊の加護〕


(レイラさんは流石にSランク冒険者の奥さんらしくかなり強いな。それに、)


「ハーフエルフ?」


俺はつい、言葉が出てしまった。すると二人ともビックリしておりレイラさんに至っては俺を睨み付けてくる。


「誰から聞いたんだい?まさか貴族の回し者か?」


俺はとっさに言葉が出たことを後悔した。これだけレイラさんが敵意を向けてくると言うことは、ユーリさんの事は秘密にしていたのだろう。誤解を解くためにはスキルの事を話さなくてはならなくなるからだ。しかし直ぐに俺は説明することにする。ユーリさんが先ほど迄とは違って顔が青ざめて怯えているからだ。


「いえ、違います。俺の〔鑑定〕のスキルを使ったら見えてしまったんで。勝手に見てしまってスミマセンでした」


「!!。〔鑑定〕のスキルだって⁉」


二人はとても驚いた顔をしている。やっぱり〔鑑定〕のスキルもかなりのレアスキルだったんだろうと思っていたら、レイラさんが説明をしてくる。


「伝説の英雄アレスと同じ〔鑑定〕スキルを持ってるって言うのかい?」


激レアスキルどころではなかったらしい。伝説の英雄なんて話まで出て来てしまった。俺はレイラさんとユーリさんに〔鑑定〕のスキルについて説明をした。二人とも俺が貴族の回し者ではないと信じてくれたようだ。


「それで、魔物の買い取りだったか。何処にあるんだい?」


俺はユーリさんを見ると、ユーリさんがこくっと頷いたのでアイテムボックスからホーンラビットを全部出す。


「!。あんたはとんでもないね!アイテムボックス迄とは、初めて見たよ。ホーンラビットかい。ちょっと待ってな」


レイラさんがホーンラビットを査定してくれた。ユーリさんは俺が5匹も出したので少し驚いている。


「取り敢えず1匹はあまり値段は付かないが、他のは素材も全部使えるし、全部で1銀貨と25銅貨だけど良いかい?」


「はい。お願いします」


俺はお金を受け取りオススメの宿屋がないか聞いておく。お礼をした後、俺はユーリさんとギルドを出ようとするとレイラさんに話かけられる。


「ユウキはちょっとまちな。ユーリは戻って良いよ」


ユーリさんはペコッと頭を下げて戻っていく。


「話ってのはユーリの事だ。先ずはあの娘がハーフエルフだってことは他言無用だよ」


「わかりました。過去に何かしらのトラブルがあったんですね」


「あぁ。元々あの娘は、10年程前に私が旦那たちとパーティーを組んでいた時、依頼の最中に見つけてね。人間とエルフはあまり仲が良くないからね。貴族が傭兵を使ってユーリの村を襲ったんだ。他のエルフ達は何とか逃げたらしいがユーリの母親とユーリは囮に使われたんだ。ハーフエルフは純血のエルフ達からすると差別の対象らしくてね。母親はユーリを逃がそうとして死んでしまったんだ。」


「そうだったんですか。約束は守りますよ」


「頼んだよ。出来ればユーリを少し気にかけてやってくれ。私も何かあったら協力するから」


「わかりました。それじゃあまた」


ユーリさんも色々とあったんだなぁと考えながら俺は宿屋へと向かった。


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