第3章 竜王祭二日目★2★
第1試合が終わり、次は俺とユキネさんの試合だ。ユキネさんは少し緊張したような面持ちだ。俺は肩を叩き呼ぶようにしてそのまま人差し指を出していた。振り返ったユキネさんの頬に人差し指が触れる。
「何をイタズラしてるんですか。これから私と試合なのに」
「ユキネさんは少し気負いしすぎですよ。それでは実力を出せません。もう少し肩の力を抜かないと」
ユキネさんも自分で肩に力が入りすぎていたのがわかったらしく、大きく深呼吸していた。
「貴方は本当にわからない人ですね。これから試合する相手の緊張をほぐすなんて」
「どうでもいい人ならほっときますけどね。ユキネさんは綺麗ですし」
「またそういう事を‥‥‥まぁいい。試合で実力を見せてやるわ」
「それでは準々決勝第2試合を始めます。カルナディア国代表、〔闘神〕の二つ名を持つ我らがアイドル、ユウキ選手、そして日の本の国代表のユキネ選手です」
俺寄りのアナウンスになってるがいつの間に二つ名まで調べたんだろう。ファンクラブは本人非公認のはずだがその情報網に少し怖くなった。
「それでは始め!」
ユキネさんは刀を抜き構えた。俺も天照を抜き構えるが魔力は流さない。オークキングの剣を越える業物じゃないと武器を破壊してしまうからだ。ダメージは試合場を出れば回復するが、装備品は壊れたままなので知らない人ならいざ知らず、知り合いの人では気が退けてしまった。
「行きますよ」
ユキネさんは俺に向かって飛び込み攻撃を繰り出してくる。俺はその攻撃を全て天照で受ける。中々の腕だか俺にダメージを与えれるほどではない。俊敏はかなり高いので速さはあるのだが太刀筋が解りやすいのだ。言うならば教科書通りの剣術だ。ユキネさんは筋力がそこまで高くないので基本通りの剣術だと防ぐのはそれほど難しくない。もう少し自分に合った、速さを生かす剣術を覚えればもっと強くなるだろう。
「流石ですね。まるで師匠に打ち込んでいる見たいです。このまま続けても入れられる気がしないので私の最高の技で行かせていただきます。ちなみに師匠は初見で防ぐことは出来ませんでしたけどね」
〔剣術の極み〕を持っているゴエモンさんが初見で防げなかったとなればかなりの技だろう。ユキネさんは低く構え俺に向かって来る。その際に刀を振りウインドカッターを出す。普通であればそのままウインドカッターを防いで終わりだがユキネさんは速度をあげて自分の放ったウインドカッターに追い付き同時に攻撃してくる。まるで斬撃を同時に繰り出したようになっている。俺は〔魔力闘衣〕を使い天照に風の魔力を込め切り下ろした。天照からはウインドカッターとは比較にならないほどの風の刃が放たれた。ユキネさんはそれに気付き横に飛び何とかかわす。物凄い風と音で観客は目をつぶったが再び見た試合場は床が半分以上真っ二つに切り裂かれていた。観客も観覧席の冒険者も声が出ずにいた。




