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第3章 竜王祭★22★

 俺が食堂に行くとみんな来ており俺が最後だった。ゴエモンさんは一杯始めておりご飯よりもお酒が優先のタイプらしい。


「ユウキも来たか、では乾杯をしよう。みんなの初戦突破を祝って、乾杯!」


 俺は注がれた果実酒を飲むがユキネさんはお酒があまり強くないらしく一口で顔を赤くしていた。


「果実酒も悪くないんだが出来れば日本酒が飲みたかったのう」


 日の本の国にはやはり日本酒があるらしく、ゴエモンさんは日本酒が置いてないことにとても残念がっていた。


「ところでユウキ、御主は何で日の本の国ではなくカルナディアの代表になったのだ?」


「俺、竜王祭の事とか全然知らなくて、成人して国を出てから旅をしながらカルナディアまで来たときに金がなくなって。金を稼ぐ為にカルナディアで冒険者の登録をしてそこで竜王祭の事を知ったので」


「そうなのか。まぁ日の本の国が竜王祭に参加したのも去年からだからな」


「そう言えばゴエモンさんは結婚とかしてないんですか?」


「儂はしておらんよ。剣に生きると決めたからな。それに他の国みたく男性が妻を数人持たなければならないなんて決まりは日の本の国にはないからな」


「そうなんですか。でもそれだと人が減っていきませんか?」


「日の本の国は、大体1家族10人近いからな。子供は宝だから5人兄弟とか当たり前だぞ」


「良いなぁ、私もユウキを独占できたらなぁ」


「どういうことだ?」


 ミネアはユーリさんやサリーちゃんの事、3人ともユウキの事が好きなこと、ユウキがちゃんとしたいからとまだ誰にも手を出していないことを説明した。するとゴエモンさんは大声で笑いだした。


「流石ユウキだな。普通の男ならハーレムだと言って酒池肉林に溺れるだろうに。なぁユキネ、お前もユウキに貰ってもらったらどうだ?これ程しっかりした男は中々おらんぞ」


 ゴエモンさんが余計なことをユキネさんに言っているが、当のユキネさんを見ると苦手なお酒のコップが空になっており目が据わっている。


「私に勝ったら何処へでも嫁に行ってやるよ!確かにあんたはタイプだが私より弱い奴になんか抱かれるもんか!私を抱きたかったら私を倒して力尽くで抱いてみな!」


 ユキネさんはかなり酔っているらしくとんでもないことを言っている。ゴエモンさんは笑っており、ミネアは「何であんたまで!」と叫んでいる。当の俺はユキネさんのタイプだったんだと少し喜んでいた。

 爆弾発言の出た夕食を終え部屋に戻ろうとしたがユキネさんは酔い潰れておりゴエモンさんに部屋まで送っておいてくれと頼まれた。ゴエモンさんはまだ飲み足りないのでもう少し飲んでいるらしい。俺が抱き抱えようとするとミネアが邪魔しようとするがルナさんがなだめ二人は部屋に戻って行った。俺はゴエモンさんにユキネさんの部屋を聞き送って行った。ベッドに下ろすと少し気持ち悪そうにしているので俺はユキネさんにキュアをかけておいた。これで明日は二日酔いになることもないだろう。俺はユキネさんに布団を掛けて部屋を出ようとする。ユキネさんは寝ているようで微かに寝息が聞こえている。


「明日は真剣勝負ですからね。それと、さっきタイプって言われたの嬉しかったですよ。俺もユキネさんはとても魅力的だと思ってたので。それじゃあおやすみなさい」


 俺はユキネさんが寝ているので聞かれていないと思い独り言のように言い残し部屋を出た。ユキネさんが酒に酔ったのとは違う理由で顔を真っ赤にしていることに気付かないままに。

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