第3章 竜王祭★21★
初日の1回戦も終わり俺とミネアは無事に1回戦を勝利した。俺達は帰ろうとするとゴエモンさんに話しかけられた。
「ちょっと良いか、ユウキの泊まってる宿屋はまだ部屋は空いていないかのう?儂らは今日着いてそのまま試合だったので泊まるとこを決めてなくてな」
「ちょっと聞いてみないとわからないですね。良かったら一緒に行きますか?外に馬車も待っているのでゴエモンさん達ならまだ乗れますし」
「本当か?それは助かる。なぁミネア」
「し、師匠。何も明日の相手と同じ宿にしなくても」
「儂もユキネもアルヘイムは詳しくないだろうが。宿を探すのにそんな事言ってられんだろうが」
ユキネさんは俺と同じ宿になるのが嫌みたいだが、ゴエモンさんの言うとおり竜王祭が始まってるので宿はかなり混んでいる。空きを探すには片っ端から宿屋を当たらないと見つからないのは目に見えていた。渋々ユキネさんも納得し俺達とオレンジ亭に行ってみることにした。外に出るとルナさんが待っていた。
「ユウキさん、ミネアさん初戦突破おめでとうございます」
「ありがとうございます。ルナさんちょっと良いですか?日の本の国の代表のゴエモンさんとユキネさんも馬車に同乗しても良いですか?今日アルヘイムに着いたみたいでまだ部屋を押さえてないみたいなんです。オレンジ亭でまだ部屋が空いてるか聞いてみたいそうなので」
「大丈夫ですよ。ライルさんが何かあった時用に部屋を多目に押さえていたはずですので空きはあると思いますよ」
「本当か!それは助かる。金は払うのでその部屋に停まらせて貰えないかの?」
「ユウキさんとミネアさんが宜しいのであれば大丈夫ですよ」
無事に部屋を見つけることが出来たゴエモンさんとユキネさんも馬車に乗り俺達はオレンジ亭に向かった。
「着きましたよ。ユウキさん達はお部屋に行っていてください。私は店主にゴエモンさん達が宿泊されることを話してきますのでゴエモンさん達は私と来て貰っても良いですか?」
「世話になるな。ユウキ、後で夕食を一緒に食べよう」
「はい、では後で」
俺は部屋に戻り直ぐにシャワーを浴びることにした。シャワーを浴びながら、フェミニさんとの戦闘を自分ならどうするか考えたいた。時間を止めるなんてスキルは神様ならわかるが、普通の冒険者が使えるようなものではなく、何かしらの秘密があるはずだ。止めれる時間に制限があったり回数制限等があればまだ勝機はある。距離をとり自分を攻撃できないように魔法などで守りを固めるか、フェミニさんを動けないようにアースメイデンで拘束すれば何とかなるからだ。考え事をして長めのシャワーを終えると部屋をノックする音が聞こえた。
「はい、何方ですか?」
部屋の扉を開けると少し気まずそうな顔をしたユキネさんが立っていた。
「し、師匠にユウキさんとミネアさんを夕食に呼んでこいと言われましたので。一応声はかけましたからね」
そのままぷいっとユキネさんは行ってしまった。そんなに嫌われることをしてはいないのだが取り敢えず俺も食堂に行くことにした。




