第3章 竜王祭★12★
「1回戦第1試合はルージュさんとネフィルさん、第2試合はクレアさんとシリアさん、第3試合はマーリンさんとユウキさん第4試合はシーラさんとユキネさんです。今までがAブロックになります。次のBブロック第1試合はマールさんとレオンさん、第2試合はミネアさんとスクアートさん、第3試合はリアナさんとゴエモンさん、第4試合はフェミニさんとシヴァさんとなります。それでは準備が整いましたら試合を開始致しますので、出場選手の皆さんは控え室に一旦お戻り下さい」
組み合わせが発表され自分の対戦相手を確認する者や、すぐさま控え室に戻るものなどそれぞれだ。
「ユウキはマーリンとか。いきなり去年の優勝者とだなんてね」
「ミネアはスクアートとかっていう1級魔導師の男だろ、大丈夫か?」
「ん~、五分五分かしらね。お互いに魔法が得意だから魔法戦になるのは確かだろうけど‥‥」
俺は魔法戦ならミネアはマサムネに作って貰った装備と、俺が買ってあげた髪飾りでステータスもスキルも上がっているから勝てると思っている。
「ミネア、負けんなよ。決勝は俺とやるんだろ」
「当たり前よ!ユウキこそ油断して負けたりしたらダメだからね」
「1回戦始まるようですよ。見られますか?」
案内の人が教えてくれたので俺とミネアは会場に行くと試合場の四隅には2メートル程の石像らしき物が設置されており魔石らしき物がはめられている。多分あれが結界を張る装置だろう。そして試合場の外には出場選手の為に観覧席が即席で設置されていた。何名かの出場者はもう座っており、俺達も席に座り試合を観ることにした。
「それでは第1試合です。クレメンス国代表ルージュさん対イース国代表ネフィルさんの試合を始めます」
ネフィルさんはロッドを持っているので魔法が得意なのだろう。ルージュさんはテイマーで使役した魔物と一緒にいた。俺は鑑定を使ってみた。
ネフィル・エトワール
年齢 30 LV 65
種族:人間 職業:冒険者
体力:314
魔力:615
筋力:314
耐久:245
俊敏:310
スキル: 〔火魔法LV5〕〔風魔法LV6〕 〔闇魔法LV6〕 〔詠唱破棄〕 〔魔力上昇・中〕
ルージュ・バイオレット
年齢 27 LV 60
種族:人間 職業:テイマー
体力:475
魔力:245
筋力:218
耐久:225
俊敏:175
スキル:〔水魔法LV3〕 〔テイミングLV6〕 〔気配感知〕
サーベルウルフ
LV 52
種族:ウルフ(テイム)
体力:465
魔力:145
筋力:420
耐久:285
俊敏:480
スキル: 〔風魔法LV4〕 〔雄叫び〕 〔クラッシュバウンド〕 〔俊敏上昇・中〕
能力的にルージュさんの方がテイムしている魔物がいる分有利だが、それをネフィルさんがどうやって打開するかだろう。俺もテイミングを覚えたいので後で聞いてみようと思っている。
「それでは始め!」
開始と共にサーベルウルフはルージュさんから離れてネフィルさんを挟むように位置をとる。広範囲魔法で一緒に攻撃を受けないように、そして相手の死角をつくためと最善の選択だ。ネフィルさんも予想はしていたようで火魔法のファイヤーボールでサーベルウルフを牽制している。ルージュさんのメイン武器は弓の為距離をとって狙っている。そして矢が放たれたがネフィルさんに当たる寸前で矢が逸れている。風魔法で自分の回りに常に風を纏い矢の起動をそらしているようだ。流石に竜王祭本選にもなるとレベルの高い攻防だ。矢が逸れたのを見てサーベルウルフがネフィルさんに襲いかかる。魔法で対応が間に合わないと判断したネフィルさんは避けようとする。確かにネフィルさんはギリギリでかわしたが肩口に傷を受け出血している。サーベルウルフは爪を振り下ろした時にウインドカッターを使い避けられても大丈夫なようにしていた。かなり賢い魔物だ。ネフィルさんはまた距離をとりロッドを構え闇魔法を使った。すると試合場が黒い霧に包まれた。観客は何が起こったのかわからないでいたが俺はわかっていた。




