第3章 竜王祭★6★
着替えを済ませて下におりるとルナさんが来ており席に座ってコーヒーを飲んでいた。
「おはようございます。ルナさんは朝御飯これからですか?」
「はい。私も今注文したばかりですので」
「じゃあ俺も食べようかな。スミマセン、サンドイッチとコーヒーを下さい」
「私もユウキと同じのにする。同じのもう1つ追加でお願いします」
「いきなり呼び捨てになったんですね。仲の宜しいことで」
「そんな、私達はまだ‥‥」
ルナさんは結婚してるだけあってちょっとしたミネアの違いと呼び捨てでなんとなく察してるようだった。実際はキスまでしかしてないのだがルナさんは信じてはくれないだろう。食事が運ばれて来て、それを食べながら俺は今後の予定を聞いた。明日の午後にはアルヘイムに着くらしい。長旅のはずだったが思ったほど大変ではなかった。ルナさんが食事の準備をする必要がないこと、そして夜にはお風呂に入って疲れを癒してるからで、普段は此処まで楽な旅ではないようだ。
「ご飯も食べたしそろそろ出発いたしますか」
俺達は馬車に乗り込み残りの旅を再開した。夜にお風呂に入る時などはルナさんから、「お二人は一緒に入られては?」等とからかわれたりもしたが特に問題なくアルヘイムへ向かっていた。
「ユウキさん、ミネアさん、アルヘイムが見えてきましたよ」
俺は馬車から顔を出して見るとそこには大きな街が見え、中心部には前の村にあった教会とは比べられないほど大きくお城に近いような建物が見えた。
「あの中心部にあるのが魔法国家本部です。他の国の王宮と同じようなものになります」
それから少し馬車で走り街の入り口でローブを来た人達にギルドカードを見せた。ルナさんが竜王祭に出場するカルナディアの冒険者と説明したが俺の事を品定めするようにじろじろと見ていた。
「やっぱりアルヘイムの人もユウキさんの事が気になるようですね」
「そりゃそうでしょ。ユウキみたいに若くて格好いい男性が竜王祭に出るほどの冒険者だって言うんだから当たり前よ」
俺の事をミネアが良く言っているがルナさんは、また始まったと言うような目で此方を見ている。特に問題なく街に入ることが出来た俺達はそのままコロシアムに向かった。コロシアムは元の世界の教科書で見たような造りをしていて、入り口には竜王祭の受付と思われる場所があり女性が座っていた。
「ユウキさん、ミネアさん、あそこが竜王祭の受付みたいです。あちらで受付をしてもらってください」
「わかりました。少し待ってて下さいね」
「すみません、カルナディアの代表で竜王祭の出場受付をしたいのですけど」
「それでは代表証明と身分証の提示をお願いします」
俺はライルさんから渡された手紙とAランクのプレートを渡す。俺のはミスリルのプレートだがミネアのはSランクのプレートなので俺のと違い僅かに金色に輝いていた。ミスリルの上となるとオリハルコンか何かだろう。後でミネアに聞いてみよう。
「確認しました。Aランク冒険者のユウキ様とSランク冒険者のミネア様ですね。大会は3日後になりますので当日の朝、またこちらに要らしてください」
「ありがとうございました。ではまた」
無事受付も済ませて俺達は馬車に戻りライルさんが予約しているオレンジ亭という宿屋へと向かった。
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ユウキ達が受付を済ませた後、別の二人も竜王祭の受付を済ませていた。
「さっきの冒険者を見ましたか?」
「見ましたよ。格好いい人でしたね」
「見た目の事を言っているんじゃない。確かにかっこ良くてタイプだけど、私は自分より強い男じゃないとダメだからね。ってそんな事じゃなくあの人達カルナディア代表って言っていたけど、去年はあそこに居る〔魔女〕のミネアと〔豪腕〕のアリシアじゃなかった?」
「確かにそうでしたね」
「去年アリシアはあたしに負けて、「来年は強くなってリベンジする」って言っていたのにあの男が出場者ってことはアリシアよりも強いのかな。楽しませてくれるといいんだけど」
「そんな事より早く受付してショッピングに行こうよ」
二人の出場者は受付を済ませ街へと消えていった。




