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第3章 竜王祭★5★

 取り敢えず俺とミネアさんは部屋に入る。部屋の中には小さな椅子とテーブル、そして大きさ的にはセミダブル位のベッドがあるだけの部屋だ。浴室はお風呂はなくシャワーがあるだけの質素な作りで、部屋にソファーでもあればそっちで寝ようと思ったがそうもいかないようだ。


「あの‥‥‥ミネアさんこの後、」


「わ、わかってるから。先にシャワー浴びてくるから」


 ミネアさんは直ぐにシャワーを浴びに浴室に行ってしまった。先にシャワー浴びてこいよ!的な台詞を言ったわけではないのだが、ミネアさんはそう言われると思ったみたいで明らかに緊張しているようだ。今すぐに関係を持つつもりは無かったのだがミネアさんの様子で俺まで緊張してきてしまった。シャワーを終えたミネアさんが浴室から出てくると薄いネグリジェを着ておりうっすら胸と下着が見えている。


「ちょっ、ユウキ君、あんまり見ないでよ‥‥‥恥ずかしいじゃない‥‥」


「いや、ごめん、俺もシャワー浴びてきます」


 シャワーを浴びながら色々な事を考える。このまま一線を越えてしまって良いのか?自分の夢のハーレムの第一歩だからOKではないのか?結局考えももまとまらないまま浴室を出ると部屋の明かりは消えており、窓からはうっすらと月明かりが入り込んでいてミネアさんはベッドに先に入っているのがわかった。


「ユウキ君もベッドに入ったら」


「あ、‥‥うん」


 俺はベッドに入り人生最大の葛藤をしていた。此処でいかなきゃ男じゃない、でも本当に良いのか?一線を越えたらもう戻れなくなるのでは?思考回路がパンクしそうになっているとミネアさんが寝返りをうち胸が腕に当たるのがわかった。我慢出来ず俺もミネアさんの方を向いた時、ふとユーリさんとサリーちゃんの顔が浮かんだ。


「ユウキがしたかったら良いよ‥‥」


「ミネアさん‥‥俺も男だしミネアさんの事素敵な女性だと思っているけど、ユーリさんとサリーちゃんの事も同じように思ってるんだ。だから「抜け駆けはなし」って言っていたのに今ミネアさんとそういう事をしてしまってミネアさんが二人と仲が悪くなるのも嫌なんだ」


「うん‥‥わかった。私もあの二人がユウキ君をどれ程好きかわかっていたのに抜け駆けしそうになっちゃった。でも私もこんな事ユウキ君だからしたんだからね。まだ誰ともそういう経験ないし‥‥‥」


 年上のミネアさんに此処までさせて、俺は自分の度胸の無さが恥ずかしくなった。だけど普段のエッチなお姉さんキャラのミネアさんとは違い、実はまだ経験がなく俺の為に此処までしてくれているミネアさんがとても愛しく思った。

 

 そして俺はミネアさんの頬にそっと手を添えキスをした。


「ありがとうミネアさん。竜王祭が終わってカルナディアに戻ったらちゃんとするから今はこれだけで‥‥‥」


「‥‥‥う、うん。ありがとうユウキ君。凄く嬉しいよ」


 ミネアさんは急に俺からキスをされた驚きと嬉しさで目に涙を潤ませていた。そんなミネアさんがとても可愛く、俺はそのままミネアさんを抱きしめ眠りについた。


 朝日の光で目を覚ますと隣でミネアさんはまだ寝ていた。改めて見てもミネアさんはとても綺麗で昨日の事が頭をよぎると少し恥ずかしくなるが嬉しくもあった。寝ているミネアさんを見ていたら色っぽい唇に吸い込まれ唇を重ねてしまった。ミネアさんが目を覚まし俺がキスをしたのがわかったらしい。


「ご、ごめん。とても綺麗だったからその‥‥」


「ユウキ君なら良いよ。それにとても嬉しいし‥‥」


 お互い顔を赤くしながら照れているがそろそろ朝御飯の時間だ。余りルナさんを待たせても行けない。


「そ、そろそろ準備して朝御飯に行きますか?」


「そ、そうだね。ねぇユウキ君、お願いがあるんだけど?」


「どうしたんですかミネアさん?」


「私の事、さん付けで呼ばないでミネアって呼んで貰って良い?」


 少し照れながらミネアさんが言ってくる。確かに名前で読んだ方が凄く近くなった気がするのでそれも良いかも知れない。ただ馴れるまでは少し恥ずかしい。


「わかった。じゃあ俺の事もユウキって呼んで貰っても良い?ミネア」


「!わ、わかったわ。ユウキ」


 お互い呼び捨てで呼びあっただけなのにちょっと恥ずかしく、しかし距離がとても近くなったような気がした。

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