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第2章 出発準備★4★

 今回で第2章終了になります。明日からも今までと同じペースで第3章を投稿をしていきます。是非ブックマーク&評価の方宜しくお願いします。

 サリーちゃんの発言で周りの視線が俺に集まっている。逃げ出したい気持ちを押さえながらなんと言って弁解するかを考えていた。大きな胸なんて好きじゃないよ、と言えばサリーちゃんを傷つけてしまうかもしれない。何より胸が大きいのは良いことだと思う。というより巨乳最高ってな感じなので口が避けても言いたくない。しかし胸は大きいのが好きなんて言ってしまえば俺の品性を疑われそうだ。サリーちゃんは言うまでもなく巨乳だしミネアさんもそれなりに大きい、ユーリさんは二人と比べると少し小さめなので胸で順位を決めてしまう事になってもいけない。そんな時だった。


「胸は魅力の1つだが女性の価値はそれだけじゃ無いだろう」


 意外にも口を開いたのはムラマサさんだった。俺は二人のおかみさん達からのフォローならわかるが、まさかのムラマサさんが助け船を出してくれるとは思ってもみなかった。


「さっきユウキも言っただろう、一緒にいて安らげる人って。確かに胸が大きいと母性を感じるから安らげるのもわかるが1番は相手を思う思いやりだろう?料理もその一つだ!美味しいものを食べて貰って喜んで欲しい、それも安らぐ1つの要因だろ。安らぐ要因は1つじゃないんだ、違うかユウキ?」


 ムラマサさんが神に見えた。仕事は出来るが金遣いの荒い酒好きのオッサンだとばかり思っていたが、男としてこれほど尊敬出来る考えを持っているとは思ってもいなかった。


「そ、そうですね。俺はもう家族もいないので一緒にいて安らげる、そして楽しい生活が出来る女性が良いですね」


「何を偉そうな事を言ってるんだいあんたは!女の子のいる店に入り浸って借金作ったあんたが言う事じゃないよ!」


 前言撤回だ。やっぱりムラマサさんは駄目なオッサンだった。良いことは言ってるんだが行動が伴ってない。男として気持ちはわからなくもないけど‥‥。ライルさんがムラマサさん夫妻を何とかなだめている。するとレイラさんがとんでもないことを口にした。


「だったらユウキは皆と結婚すれば良いじゃないか。この国の生まれじゃなくても重婚は出来るんだからさ」


 サリーちゃんに続いてレイラさんまで爆弾発言をしてきた。確かにハーレムは作りたいがこんな場でそんな事言えるわけないじゃないかと思っていたが、まさか女性陣からそんな話が出るとは思わなかった。女性が多くて重婚が珍しくないうえ法律のこともあるので直ぐにそんな考えになるのだろう。


「ちょっとレイラさん、いきなり何を言ってるんですか。付き合ってもないのに結婚なんて」


「それはそうだけどさ、まぁまぁそういう選択肢もあるって言うことだ。まぁ女性陣が良いって言うならだけどね」


「まぁユウキが皆をちゃんと幸せに出来るならいいんじゃないかい。サリーもまんざらじゃないようだしね。ユウキはサリーの恩人だし私は構わないけどね」


「おかみさんまで‥‥‥結婚とかまだ考えてないですよ。竜王祭もありますし」


「そうだな。ユウキ君なら優勝も狙えるし今すぐに結論を出す話では無いだろう」


 ライルさんがどうにか話をまとめてくれたので助かった。ミネアさん、ユーリさん、サリーちゃんは思うところがあったみたいだが納得はしたようだ。その後もパーティーは続き女性陣の3人で何かを話したりしていたが、ムラマサさんは最後までおかみさんに小言を言われていた。


 翌朝は軽めの朝食を取りギルドへ向かう。サリーちゃんの機嫌は特に悪いわけでもなく出発するときには見送りに来ると言っていた。


「おはようございますユウキさん」


 ユーリさんも出勤しており特に機嫌も悪くないみたいだ。昨日3人で何を話したのかとても気になるが聞いても教えてはくれないだろう。


「おはようございます。昨日は色々とすみませんでした」


「気にしないで下さい。ミネアさんはギルド長の部屋にもういますのでユウキさんも行って下さい」


「わかりました。それじゃあまた」


 ライルさんの部屋に行くとライルさんとミネアさんだけでなくレイラさんもいた。


「来たかユウキ君、では説明をする。此処カルナディアから聖地アルヘイムまでは馬車で1週間かかる。到着予定は竜王祭開催の2日前だ。宿屋はオレンジ亭という店を予約しているのでそちらに宿泊してくれ。料金は掛からないから安心していいからな。馬車の従者にはアルヘイムに着いたら竜王祭が開かれるコロシアムに向かうように伝えてある。着いたらばこの手紙を受付に出してくれればいい」


 ライルさんが渡した手紙が出場を許可した証明になるのだろう。手紙を受け取りアイテムボックスにしまう。


「もう馬車も来てる頃だろう。そろそろ出発する時間だ」


 外に出ると何処かで見たことのある馬車が停まっていた。もしかしてと思い従者の人を見てみるとそこには知った顔が座っていた。


「ルナさんじゃないですか!今回の旅もルナさんが従者をしてくれるんですね」


「はい、だからこの前にまた後日と言ったじゃないですか」


 確かに馬車を下りた時そんな事を言われた気がする。そんな事を思っているとユーリさんとサリーちゃんが近付いてきた。


「ねぇユウキ君、昨日ユーリとサリーと私3人で話をしたんだけど、もしユウキ君が私達の誰かを選んでも、もしくは3人全員を選んでも私達は構わないからね。皆ユウキ君を好きって言う気持ちは同じだから‥‥‥それでユウキ君が安らげるのであれば構わないってことで話がついたから」


「そんな話を昨日してたんですか?」


「ユウキさんを好きって気持ちを3人で話したら自然とそうしようって事になったんです」


「ユウキお兄ちゃんなら優しくて皆を幸せにしてくれるし、そんなユウキお兄ちゃんだから皆で安らげるように出来るんじゃないかって思ったの。それにミネアさんもユーリさんも私に負けないくらいユウキお兄ちゃんの事好きなのもわかったし‥‥」


「サリーちゃん、ユーリさん、ミネアさん‥‥‥わかりました。竜王祭が終わって戻って来たらちゃんと話ますんで」


「でもミネアさん!一緒にアルヘイムに行ってる間に抜け駆けはなしですからね」


「そうですよ!」


「わかってるわよ、ユーリもサリーもそんなに睨まなくても‥‥」


 取り敢えずはこれで修羅場は免れたので竜王祭に集中出来そうだ。俺とミネアさんは馬車に乗り込みアルヘイムへ向けて出発する。


「「頑張ってね!」」


 ユーリさん、サリーちゃん、そしてギルドの人達に見送られながら俺達は竜王祭に出るため聖地アルヘイムへと出発した。

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