第2章 出発準備★2★
お風呂用の魔道具を頼んだ後はコンロやお風呂等を扱っているお店に向かった。俺の土魔法で作ってもいいのだが、お湯を入れたときお湯が土で汚れては困るため木製か出来れば大理石などで出来たものが欲しかったのだ。日本人なら木製だろと思うかもしれないが木製のお風呂などは意外と手入れがめんどくさいのだ。お店に着くと色々な写真で商品を紹介していた。
「いらっしゃい、お兄さん。何を探しているの?」
「お風呂を探しているんですけどオススメありますか?」
「値段がお得なのは木製の物になります。高いのは石造りのもので素材によって値段が変わります」
やはり大理石製のお風呂は値段も高く金貨3枚程する。その値段でも一人用のもので装飾などは何もない。
「ではこの金貨3枚の物を欲しいのですけど、家に設置するのではなくそのまま売って欲しいのですけど大丈夫ですか?」
「此方は構いませんが、どうやって運ぶのですか?かなりの重量で運ぶことは難しいですよ」
俺は仕方なくアイテムボックスの説明をする。初めは驚いていたが商売にはもってこいのスキルだと羨ましがられた。現物があるとのことで見せてもらいそれを購入してアイテムボックスに入れた。これで入浴の際は浴槽を設置してお湯を入れる魔道具を付ける。周りは俺の土魔法で簡単な小屋を作れば良いだろう。店を出た俺は近くの露店で遅めの昼食を取りブラブラしながら食堂へ戻った。
「おかみさんどうですか?」
「来たかいユウキ、これから仕上げだから出来た物はどんどんしまって良いよ」
俺はカレーをアイテムボックスに入れてから出来上がった物をどんどんしまっていった。おかみさんは幾つもの料理を同時に作っていたがかなりの手さばきだった。料理スキルのレベルも凄いんだろうと思い鑑定をしてみたらレベルが8もあった。料理を入れ終えた俺はおかみさんにお礼を言って宿屋に戻った。
翌日は魔道具屋に向かった。頼んでいたお風呂用の給湯装置は出来ており蛇口の裏に2ヶ所魔石を入れるスペースがあり、その横には温度調節のレバーが付いていた。
「動作も確認済みです。緑の印がちょうどいい温度だけど後は好みで動かしてみてください」
「ありがとうございました」
俺は魔道具を受け取りギルドへ向かった。ユーリさんにライルさんが居るか確認をしてギルド長室へ向かった。
「こんにちはライルさん。明後日のアルヘイムへの出発時間を確認しに来たんですけど」
「ユウキ君か。この間はワイルドピッグをありがとう。とても美味しかったよ。明後日の出発時間だね。朝御飯を食べたらなるべく早くギルドに集まってくれ。ミネアにもそう伝えてある。馬車は手配してあるから」
「わかりました。ではまた明後日に」
俺は宿屋にもどりおかみさんに明後日にアルヘイムへ出発することを伝えた。すると明日の夜は竜王祭での活躍を祈ってパーティーをしてくれることになった。俺の他にも参加するミネアさんやギルド長のライルさんとレイラさんも呼ぶといいと言ってくれた。他にもお世話になっている人を呼びなさいと言ってくれたのでユーリさんとマサムネの所の家族を呼ぶことにした。パーティーの費用を出すと言ったのだがワイルドピッグのお礼だと言われて受け取ってくれなかった。
翌日はギルドに行きユーリさんとライルさん、レイラさんに今日の夜、宿屋でパーティーをすることを伝えた。皆参加するとのことでレイラさんがミネアさんも連れて来てくれる事になった。そのままマサムネの鍛冶屋に行きパーティーに誘うと家族皆で行くと言ってくれた。特にムラマサさんはタダ酒だとかなり喜んでいた。皆に声を掛けたので宿屋に戻るとおかみさんはパーティーの料理の準備をしていて、サリーちゃんは食堂のテーブルを繋げたり椅子を移動したりと頑張っていた。
「サリーちゃんも今日はありがとうね」
「だってユウキお兄ちゃんの激励会なんだもん。竜王祭で活躍するとSランクになるんでしょ?ユウキお兄ちゃんなら絶対優勝できるもん」
「ありがとう。優勝できるように全力でガンバるよ」
「うん。‥‥‥でも少し寂しいな。しばらくユウキお兄ちゃん帰ってこなくなるし‥‥」
「そうだね。俺もサリーちゃんと少しのあいだ会えなくなっちゃうけど、いい報告ができるように終わったら直ぐに帰って来るからね」
「うん‥‥。私も応援してるからね」
サリーちゃんは少し寂しそうな顔をしながらも笑顔で答えてくれた。しかし俺も気になる女性を2人呼んでしまったのでまたひと波乱ありそうな予感を感じながら俺も準備を手伝った。




