第2章 バルト山脈★2★
俺は食堂を出たあとギルドで聞いた店に行ってみる。そこは馬車を使い定期的に色々な場所へ行く商売をしているらしい。長距離バスのような仕事なのだろう。受付の女性にバルト山脈の麓のプラム村に行く馬車があるか聞いてみたが都合の良い馬車は見つからなかった。直接行くには馬車と従者をレンタルしなければいけないらしく、行きと帰りの6日間とワイルドピッグの討伐に1日として1週間でお願いし料金は銀貨35枚と言われた。確かに報酬を考えると行く前に赤字が確定してしまった。俺はお金を払うと出発まで一時間位かかるのでその間に準備などして欲しいと言われた。俺は食べるものは準備出来ていたが寝袋も必要かなと思いはそれだけ買いに出掛けた。寝袋を買いブラブラしながら戻るとちょうど準備が終わったようだ。
「タカミヤ様ですね、今回従者をさせて頂きますルナと言います。プラムの村までは3日程かかります。道中宜しくお願いします」
「タカミヤユウキです。Aランクの冒険者です。移動中に魔物や盗賊等か出たら遠慮なく言って下さい。負けることはありませんので」
「それは心強いです。では出発致しますか?」
「はい、お願いします」
俺は馬車に乗り込む。馬車の大きさは四畳半の部屋より少し小さい位だ。これから3日、途中馬を休ませる為の休憩を入れながらの旅が始まった。と言っても特別な事があったわけではなかった。唯一途中にホーンラビットが現れて俺が討伐した事と、食事の時にその肉を提供したくらいだ。料理等したことなどなかったので捌くのに多少手こずったが、保存食しか持ってきてなかったルナさんにはとても喜ばれた。他はルナさんには絶対に内緒にすると言う条件でアイテムボックスから料理も出した。珍しいスキルだと驚いていたが出来立ての料理が食べれたことにとても感謝された。しかし困ったのが夜に寝るときだ。ルナさんと二人で馬車の中で寝たのだが、初めて女性と二人での宿泊で寝る際の息づかいが気になり初日はなかなか寝付けなかった。翌日話をしているとルナさんは結婚していることがわかり、俺が要らぬ心配をしていることが恥ずかしくなった。こうしてプラムの村に着いた俺は依頼主の村長の家に向かった。
その頃カルナディアでは‥‥‥
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「だからミネア!何で野菜を洗うのに洗剤何か使うのよ!」
「だって洗うときは洗剤を使うでしょ?」
「食べ物を洗うときは別よ!って言うか何か変な匂いがするけど‥‥‥あんたその鍋に何入れたのよ?」
「私のオリジナリティを出すためにこれ入れたら美味しいかなって‥‥‥エヘッ」
「エヘッじゃないわよ!それはとても辛くて少し入れるだけなのにそんなに入れたら‥‥って目が!」
「何をそんなに大袈裟に。レイラも酷いわね‥‥って私も目がっ!ちょっ、しみるし痛い!」
「あんたの魔法よりこの料理の方が強力よ!不器用にも程があるわよ。基本が出来てないほどオリジナリティとか言って余計なことをするんだから」
「だから人と同じことしてもユウキ君に振り向いて貰えないかも知れないでしょ?」
「同じことしてもじゃ無く出来ないだけでしょ!こんなのユウキ君に食べさせたらダメだからね!」
レイラの料理教室が開催されているあいだギルドからの異臭騒ぎが起こり、王宮からも調査の為に兵士が来る騒ぎとなった。




