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第2章 バルト山脈★1★

 バルト山脈‥‥カルナディアの北に位置し竜の伝説が残る山。遥か昔、竜の住みかと言われていたが、人と魔族の戦いに利用しようとどちらの種族からも狙われた。従魔とすれば1000人の兵士に匹敵し、革は最高級の防具の素材となる。牙や爪は武器の素材となり、血や肝は薬の素材となる為、人も魔族も多大な犠牲者を出しながらも竜を狩っていた。もともとそんなに数が多くないこともあり繁殖力の低い竜はあっという間に数を減らしていた。しかし人間や魔族は余りにもやり過ぎた。竜王の逆鱗に触れた為、竜達の総攻撃を受け人間側は国が壊滅し、魔族側は領土が半分以下になると言う結果に終わってしまった。しかしその戦いにより竜は絶滅したと言われている。これが人間側に伝わっている竜の伝説だ‥‥



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 俺は何時ものように朝食を済ませギルドに向かう。聖地アルヘイムへ出発するまでまだ11日ある。それまでにもう少しレベルを上げ大台に乗せて見るのも良いかと思い以来を受けに来た。


「おはようございます、ユーリさん」


「おはようございます。ユウキさん王宮では大変だったみたいですね」


 ユーリさんは王宮での出来事を聞いてたみたいだが、俺が貴族を好きではないのを知っていたので気疲れしたんだろうと察してくれていた。


「もう勘弁して欲しいですね。全く落ち着かなかったですから。じゃあ依頼書を見てきます」


 俺は良さげな依頼を探すがどれもあまり旨味の無い依頼ばかりだ。しかし一つだけ気になった依頼があった。ワイルドピッグの討伐の依頼だ。名前からして多分豚だろう。場所はバルト山脈と言うところだ。俺はその依頼書を持ってユーリさんに聞きに行った。


「ユーリさん、この依頼について教えてもらって良いですか?」


「ワイルドピッグの討伐ですね。場所はバルト山脈でここから馬車で3日程かかります。ワイルドピッグは群れで行動するため遭遇するとかなり危険なんです。バルト山脈の麓にあるプラムと言う村からの依頼で、最近村の近くに現れたらしく討伐の依頼が出ているんですけどあまり報酬が良くないので誰も受けようとしないんですよ。パーティー推奨でランクもBは必要ですし、普通に受けたら経費だけで赤字になりますね」


 確かにBランク以上必要となっているが報酬は銀貨10枚だ。しかし俺は報酬はどうでも良かった。一番気になっていた事をユーリさんに聞く。


「因みにワイルドピッグって食べたら美味しかったりしますか?」


「豚肉の中では最高級の部類ですね。私も1度だけ食べたことがありますが脂が甘くてとても柔らかくとても美味しかったですね」


 食べた時の事を思い出してるようでユーリさんの目がうっとりしている。


「じゃあこれ受けます」


「ほんとに良いんですか?」


「はい。俺もワイルドピッグを食べてみたいんで」


「わかりました。でも気をつけて下さいね」


 俺は依頼を受けそのままマサムネのお母さんの食堂へ向かった。


「こんにちは」


「今日は早いね。もう昼御飯かい?」


「それもあるんですけど、今度の竜王祭に行くときに頼んでいる料理の件なんですけど、豚肉は俺が準備しますんで」


「何か良い肉でも見つかったのかい?」


「これから依頼でバルト山脈に行くんですが、そこでワイルドピッグを狩って来るんですよ」


「ワイルドピッグって!最高級の豚肉じゃないか」


 流石に驚いたらしくかなりの味を期待できる。マサムネのお母さんも扱った事がないくらい高級な肉らしい。


「それで急なんですけど10食分料理を作って貰えませんか?」


「お安いご用だよ。任せときな!直ぐに作るからね」


 マサムネのお母さんはワイルドピッグの肉の為ならと喜んで受けてくれた。かなり気合いが入ったらしく、カレーが五食、カツ丼が五食、牛丼も五食と計15食も作ってくれ料金もいらないと言ってくれた。俺はアイテムボックスにしまい帰ってきたら器を返す約束をした。料金をいらない代わりにワイルドピッグを少し味見させて欲しいとお願いされたので了承した。


「ありがとうございます。じゃあ行って来ます」


「あぁ、頑張って狩ってくるんだよ!」


 俺は店を出て行くための馬車の手配に向かった。



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