第2章 王宮★6★
料理を運ぶ侍女達に混じり目には見えないが気配が一つ紛れていた。侍女達が部屋を出た後もその気配だけ残っていたのを俺達は感知したのだ。
「王様、よろしいですか?」
俺は王様に確認をとると王様も頷いてくれた。俺はミネアさんにやったの同じように相手を傷付けないようにアースメイデンを使う。ライルさんと王様以外は急に俺が魔法を使ったことに驚いていたが、アースメイデンで動きを封じてはいるが周りには何もない空間に床から針が出てるようにしか見えない。ライルさんが立ち上がり側まで行き空間を掴むと一人の男性が姿を表す。
「あれは〔透明化のマント〕ではないか!」
貴族の男性が姿を消していたアイテムを知っていたらしく声を上げる。そんな効果のアイテムがあったことに俺は驚いたが使っていた男性は詰めが甘かった。この場に〔気配感知〕のスキルを持っている者が居たこと、そして男性が〔気配遮断〕のスキルを使ってなかったことだ。気配遮断を使いあのマントを使われていれば誰にも気づかれなかったはずだ。
「お前はクレンスフォード家の執事ではないか!」
「騎士隊長を呼べ。奴を捕らえるのだ」
王様が侍女に言いつけると直ぐに騎士隊長が来て男を連れていこうとしたので俺はアースメイデンを解除した。
「皆のものすまなかったな。招かれざる客がいたようだ。しかしこれでクレンスフォード家も知らぬ存ぜぬは出来ないはずだ」
俺にちょっかいを出すだけならまだしも、王宮に忍び込み王様達との昼食会を隠れて監視しようなどとバカな真似をしたものだ。だがこれでしばらくは俺にちょっかいを出さないだろうしクレンスフォード家の事は王様に任せておけば良い。
色々あったが何とか昼食会を無事終えることが出来た。しかし帰り間際にティアナ王女から「また会いに来ては貰えませんか?」と目を潤ませながらお願いされたので、機会があれば是非と言っておいた。帰りの馬車の中ではミネアさんが、ティアナ王女のことを好きになったりしてないかとしきりに聞いてきた。
「王宮でも言ったように俺は料理が上手な人が良いんですって」
ミネアさんはそれを聞きまた落ち込んでしまったので、ライルさんから何とかしろと小声で言われた。
「ミネアさん、元気出して下さいよ」
「だ、だって私、料理全く出来ないし‥‥‥」
「じゃあ頑張って俺が気に入る料理を覚えてくださいよ」
「えっ!それって‥‥‥。ねぇユウキ君、ユウキ君はどんな料理が好きなの?」
「俺は日の本の国の料理が好きですね。この間行ったお店覚えてますか?あそこで出るような料理が好きです。でもこの国の料理が嫌いなわけでは無いですよ。要は美味しいものが好きなんです」
「そ、そうなんだ」
何とか元気は出たみたいだがその後はギルドに着くまで一人で色々考えていたみたいだ。ギルドに着くとミネアさんはまた今度ねと言って直ぐに行ってしまった。俺も精神的に疲れた為着替えをしてからそのまま宿屋に戻った。
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「レイラいる!?」
「ミネアじゃない、どうしたのよ?今日は王宮に行ってきたんじゃなかったの?」
「レイラ!一生のお願いがあるの。私に料理を教えて頂戴」
「料理?何でまたあんたが料理なんて‥‥」
「だってユウキ君が料理が上手な人がタイプだって‥‥‥」
「それで‥‥。でもあんた、魔法以外はとんでもなく不器用じゃなかったっけ?前にバレンタインで手作りを渡すんだぁって言って、火魔法でチョコを溶かそうとして台所を焦がしたわよね?」
「‥‥‥だから困ってるのよ!竜王祭なんかどうでもいいから料理が上手くなりたいのよ。助けてレイラ」
「あんた、仮にもカルナディアの代表がそんな事を言ったらダメよ!でも、わかったわ。協力してあげる。でもそのかわりビシビシしごくからね。良い?」
「任せて。ユウキ君への思いはそんなことではなくならないわ!」
こうしてレイラのお料理教室が俺の知らないところで開催されることとなった。
長男も何とか初段に合格し黒帯を貰うことが出来ました。しかし空手は黒帯を貰ってからがスタートだとも言われました。子供達共々頑張りたいと思います。




