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第2章 王宮★2★

 今日はユーリさんに王宮に着ていく服を選んでもらう。待ち合わせは前にユーリさんとお茶したカフェだ。お昼前に待ち合わせと言うことは何処かでランチもするのかな?と思いながら向かった。ユーリさんはまだ来てないようなので俺は先に席に付きコーヒーを注文した。ユーリさんが来るまで待っている間に5人の女性に声を掛けられた。「相席良いですか?」と聞いてくる人もいれば、いきなり後ろから目をおさえられ、「だーれだ?」と聞いてくる人もいた。しばらくするとユーリさんがやって来た。


「ユウキさん、遅くなってすみません」


「俺も今来たところですよ」


 お決まりの台詞を口にしながらユーリさんを見ると普段仕事をしている時と違い、髪も結わないで下ろしていて妙に大人の女性の雰囲気だった。白のニットにミニのスカートという格好で正にドストライクだ。


「いつもギルドで逢う時と雰囲気が違って何か照れますね」


「何処かおかしいですか?」


「いや、とても綺麗ですよ」


「えっ、あ、ありがとうございます」


 俺もユーリさんも少し顔を赤くしながら照れ笑いをする。ユーリさんはハーブティーとサンドイッチを頼み俺はコーヒーのおかわりと同じサンドイッチを注文する。


「そうだ、ユーリさん。これを受け取って欲しいんですけど」


 俺はユーリさんに精霊の涙のネックレスを渡す。ユーリさんは最初驚いていたが直ぐに笑顔になりとても嬉しそうだ。


「この間此処で話をしていた時に貴族の女性が絡んで来たじゃないですか」


「クレンスフォード家のソリティア様ね」


「そのクレンスフォード家ともめてまして。俺の泊まってる宿屋の娘さんも誘拐されたりしたんです。それで俺と一緒に居るところを見られているユーリさんに危険が及ぶ可能性もあるので、出来ればこのネックレスをいつもつけていて貰えればと思って」


「そんな事があったんですね。それでこのネックレスにはどんな効果があるんですか?」


「これは精霊の涙と言って、致命傷になるような攻撃を一度だけ防いでくれる効果があるんです」


「そんな凄い効果があるんですか!」


「ユーリさんに危険が及ばないよう俺も全力て守りますけれど念のためにつけていて下さいね」


「わかりました。ユウキさんからのプレゼントですから大切につけさせてもらいます。でも、ユウキさんに守られているってわかってとても嬉しいです」


 俺達が仲の良いカップルに見えたのだろう。ハーブティーとおかわりのコーヒー、サンドイッチを持ってきた店員さんは、少し不機嫌な態度で商品を置いていった。その後少し話をしユーリさんのオススメのお店に向かった。店に近づくと前にも見た店だった。二メートルのオカマのイリスさんのお店だ。


「いらっしゃい、ってユウキ君じゃない。それにユーリまで」


「ユウキさんはイリスさんのこと知ってたんですか」


「今着ている服はこの店で買ったんですよ」


「それにしてもユーリが男性と一緒なんて珍しいじゃない。ユウキ君もモテモテね」


「ちょっとイリスさん‥‥‥それより相談なんですけど、明日ユウキさんが王宮に行くことになったので何かいい服は無いかと思いまして」


「まぁ、王宮に!どうしてまた」


「ユウキさんは今年の竜王祭のカルナディア代表になったんですよ。アリシアさんとミネアさんを破っての優勝なんですから」


「ユウキ君はそんなに強かったのね。お姉さんも好きになっちゃいそうだわ」


 体をクネクネさせながらイリスさんが悶えてる姿はとても恐ろしく冷や汗が出てきた。取り敢えず王宮にはどんな服装で行けば良いか選んで貰う。その中でも気に入ったのが黒のタイトなパンツに白い襟付きのシャツ、そして黒いベストに黒のロングコートの服だ。銀糸で刺繍が施されておりシルバーのアクセサリーも付いている。首もとは赤いリボンが付いている。人間の貴族と言うよりは魔族の貴族が着るような厨二病をくすぐる服装だ。


「流石はユウキ君ね。その服は私のオリジナルで最高傑作よ。魔族の王子が着る服をイメージはしてみたの。素材も最高級の物を使っているのよ」


「これ格好いいですね。きらびやかな貴族と違って、何か悪そうな感じが気に入りました。試着してみても良いですか?」


「是非着てみてちょうだい。私もユウキ君が着ている姿を見てみたいわ、ねぇ、ユーリもそう思うでしょ?」


「そうですね、着てみてくださいよ」


 俺は試着室に入り着替えをするが自分に似合うか不安になる。


「着てみたけどどうですか?」


「「‥‥‥‥‥‥‥‥」」


「‥‥‥そんなに似合って無いですか?」


「ちょっとユウキ君、不味いわよ」


「そこまで言わなくても良いじゃないですか」


「違うわよ!似合いすぎなの!まるでユウキ君の為に作られたような服よ。ユーリを見てごらんなさい。目がハートになって固まってるわよ」


 ユーリさんを見てみると確かに俺を見ながら固まっている。


「それじゃあこれを下さい。いくらですか?」


「お金はいらないわ。ユウキ君がこれを着てくれれば凄い宣伝になるもの。でも心配しないでね。同じものは絶対に作らないから。その服はユウキ君だけの限定デザインにするから」


 何はともあれ俺は最高級の服をタダで手に入れることが出来た。その後ユーリさんは別れるまで何を話し掛けても殆ど上の空だった。

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