第2章 竜王祭予選★7★
俺とミネアさんはライルさんに呼ばれてギルド長室に来ていた。竜王祭についての説明を受けるためだ。竜王祭にはカルナディアを含め8か国から16名の代表が集まるらしい。開催は今から3週間後になるらしく、此処から開催地の聖地までは馬車で5日程掛かるらしく、余裕を持って開催1週間前に出発することになった。そして一番驚いたのが3日後に王宮に挨拶に行かなければならないと言うことだ。この国の代表ということなので必要なことらしい。
「それでは3日後にまた来て欲しい。挨拶の後は昼食会があるので昼前には来るんだぞ」
「わかりました」
俺とミネアさんはギルドを出てマサムネの所に向かう。ミネアさんに「私も何か良い装備作って貰いたい」とお願いされたからだ。俺も結果を報告したかったので丁度よかった。
「こんにちは」
「おっ、ユウキ。決勝はどうだった?」
「約束通り勝ったよ。作ってもらった鎧がかなり役にたったよ」
「そうか、それから良かった。んで隣の女性は昼に一緒にいた人だよな?」
「はじめまして、ミネアよ。Sランク冒険者でユウキ君のお嫁さんになる予定よ」
「ユウキの婚約者か!宜しくな」
説明するのも面倒くさくなりそのまま流して、ミネアさんがマサムネに装備を作って欲しいと話をする。
「ミネアさんはどんな装備を作って欲しいんだ」
「私は魔法戦闘がメインだから、魔力が上がるような装備が良いわね」
「予算はどれくらいだ?」
「金貨5枚位までなら大丈夫よ」
「流石はSランク冒険者だな。3日程時間をくれれば気に入るものが作れるがそれで良いか?」
「えぇ、お願いするわ」
ミネアさんはマサムネに金貨5枚を渡し俺達は店を出た。俺はここでミネアさんと別れて宿屋に戻ろうとしたが、ミネアさんは同じ宿屋に泊まると言って大変だった。ミネアさんは別の街に家があるらしく、普段はギルド支部の方で依頼を受けたりしているそうで、竜王祭に出発するまではこの街に泊まる予定らしい。おかみさんには悪いが、俺の宿屋は小さくて満員だから無理だと思うと言い何とか別れることが出来た。ミネアさんを見たらサリーちゃんがの機嫌が悪くなるのが目に見えていたからだ。
俺は宿屋に戻りおかみさんに、後2週間したら竜王祭に参加するため宿を一旦出ることを話する。おかみさんもサリーちゃんも竜王祭に参加すると聞いて驚いていたが、ギルド代表になるのは凄いことだというのはわかっているらしく、「そんなに強い冒険者だったんだねユウキは」と感心していた。俺は照れながらもおかみさんが、その日の夕食をお祝いだと少し豪華にしてくれてお腹一杯食べ眠りについた。
同じ日の夜ギルドでは‥‥‥
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「なぁライル、竜王祭の予選はどうなった?」
「代表はSランクのミネアとAランクのユウキ君に決まったよ」
「ユウキが代表になれたのか」
「あの強さなら竜王祭で優勝も狙えるぞ。アリシアもミネアも全く手も足も出なかったからな」
「マジか!とんでもないな彼奴は」
「それでもまだ全力ではないからな。ユウキ君が本気を出せば、小さい国なら一人で落とす事ができそうだよ」
「それぼどか‥‥。その力危険すぎないか?」
「ユウキ君は野心など持っていないよ。貴族などと関わり合いたくないのでSランクを目指してるくらいだからな」
「それなら良いんだか‥‥」
「3日後に王宮に挨拶に行くから宜しくな。呉々も貴族の奴等に変な気を起こさせるなよ」
「わかった。じゃあその時にな」
男はギルドを後にし夜の街へ消えていった。




