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第2章 竜王祭予選★6★

 今回は決勝を一気に書いたので少し長めになりました。ブックマーク&評価の方も宜しくお願いします。

 ミネアさんとは魔法で勝負をすることにしたが実は武器を使った勝負よりかなり難しい。なにしろ本選みたく結界があるわけではないので致命傷になる魔法は使えないのだ。魔力を抑えて使えば効果はあまり無いので防がれてしまうのだ。それはミネアさんにも言えることだが、俺の一番の弱点は魔法を使うことに関しての経験が圧倒的に少ないことだ。俺はこの世界の魔法を殆ど知らないので対応が難しいのだ。俺の魔法は元の世界のアニメや漫画、ゲームやラノベ等を参考にしているのでその魔法で対処出来るか出たとこ勝負なのだ。しかし逆を言えば俺の魔法をこの世界の人は知らないと言うことだ。俺は〔魔術の極み〕のおかげで魔法を創造することが出来ているので、いかに柔軟に魔法を創造出来るかが鍵になってくる、


「ミネアさん、加減をして魔法は使いますけど余り無理はしないで下さいね」


「言うねぇ、ユウキ君。ユウキ君こそ無理して怪我しないでね!」


 ミネアさんは今までの試合と同じく水の鞭で俺に攻撃してくる。鞭と言う武器は遠距離から攻撃出来ると言う利点もあるが一番の利点は変則的な攻撃と速度だ。鞭は不規則的に動かせるので軌道が読みづらいのと、鞭の先端の速度は上級者が使うと音速を越えると聞いたことがあるからだ。しかしミネアさんはここで致命的なミスをおかす。鞭の先端が俺に当たった瞬間、その部分の水が弾けてしまい俺にダメージを与えることが出来なかったのだ。


「ちょっと‥‥‥何で効かないの?」


「俺の鎧、水属性の攻撃を無効化出来るんです」


「何なのよ、その反則的な効果は」


「知り合いの最高傑作ですよ!」


 俺は魔力を抑えて数を重視させたサンダーレインを使う。いきなり回避不能なほど密集させた雷の雨がミネアさんを襲う。ミネアさんはとっさに水の障壁を張りそれを防いだ。流石にミネアさんも俺が詠唱破棄で魔法を使ったことに驚いたらしい。


「ユウキ君。本当に凄いね君は。でも私は負けられない!私達の子供の為に!」


 ミネアさんは炎の槍を10本近く作り出しそれを俺目掛けて飛ばしてくる。俺もミネアさんと同じように水の障壁で防ぐことも出来たが敢えてなにもしない。その炎の槍が俺に当たる瞬間に消滅する。


「言い忘れてました。火属性もですからね」


 最早実力と言うより装備の差によってミネアさんの攻撃を防いでいる。


「何なのよその鎧!ずるくない!」


「今度製作者を紹介しますよ。って一度会ってますけどね」


 ミネアさんはことごとく攻撃を無力化され攻めあぐねている。しかし流石は魔女の二つ名は伊達ではなかった。俺の回りに3メートルはあろうかと言う竜巻が8個現れ俺を取り囲んでいる。


「これならどうかしら?まさか風属性も無力化出来るとか言わないわよね」


「風属性は無理だな」


「威力は抑えているけど幾らユウキ君でも無事じゃすまないわよ。私の最強の魔法、プリズントルネードよ。逃げ道は無いわ」


 俺の回りにある竜巻が一斉に俺目掛けて距離を縮めて来る。俺は咄嗟に飛び上がりかわそうとする。3メートル程なら何とか飛び越えれる思ったのだが竜巻はぶつかり合うと1つになり、大きさが5メートル程になった。


「皆同じように交わそうとしたけど無理よ。その大きさは空でも飛べなきゃ飛び越えれないわ。ユウキ君、切り刻まれるまえに降参して」


 俺は咄嗟に天馬の靴の効果があった事を思い出した。飛び上がったまま足に風の魔力を込めてもう一度地面を蹴り飛び上がるようにしてみると、見えない足場みたいな物の感触があり空中でもう一度ジャンプすることが出来た。正に二段ジャンプである。俺はそのままプリズントルネードを飛び越えてかわす。


「そんな!まさかユウキ君は空も飛べるの?」


 プリズントルネードの中で二段ジャンプをしたので他の人達には俺が飛んだように見えたみたいだ。


「流石に飛べはしませんけど、あれくらいの高さなら何とかなるみたいです。今度はミネアさんも動かないで下さいね」


 俺は着地と同時に床に手を付きアースメイデンを使う。勿論ミネアさんには刺さらないように調節はしてある。魔力量は前にキメラに使った時と変わらないが、今回はダメージを与えるのではなく、針でミネアさんの動きを封じるのが目的だ。無数の針がミネアさんの腕や足を挟むように突き出し動きを封じる。


「くっ!何なのよこの魔法」


 上手くミネアさんの動きを封じることが出来た。あれだけの数の針を、良く刺さらないように出来たと自分で感心する。俺は今度はかなりの量の魔力を込めて火魔法を使う。イメージは炎で出来た鳥だ。俺の上空に先程のプリズントルネードよりも大きい炎の鳥が作られる。


「ちょっと、何なのよそれ‥‥‥」


「俺の火魔法、‥‥朱雀です」


 咄嗟に日本風の魔法名にしてしまった。自分でもなかなか格好いい魔法だと思ったが見ている冒険者達やライルさんも驚いている。特に攻撃対象になっているミネアさんは顔が青ざめてしまっている。


「防いで下さいね」


「待った!それは無理よ!降参、降参します!」


 最初から撃つ気はなかったがよっぽど怖かったのだろう。ミネアさんが降参したので朱雀を消してミネアさんを捕らえていたアースメイデンも解除する。ミネアさんは腰が抜けたようでその場でへたり込んでしまった。


「‥‥‥しょ、勝負あり。勝者ユウキ!」


 ライルさんが勝負を止めた後、観客からは歓声が1つもなく静まり返っている。暫くの沈黙の後でとつもなく大きな歓声が鳴り響く。


(‥‥‥少しやり過ぎたかな、俺)


 ライルさんが近づいた来て俺に話し掛けてくる。


「ユウキ君、観客に魔法が当たらないように結界は張っていたがあれはちょっと私の結界では‥‥‥あんなの使ったらギルドの半分は消滅してしまうところだよ」


「‥‥撃つつもりは‥‥いや、すみませんでした」


 俺はミネアさんに近づき声を掛ける。


「怖がらせてすみませんでした。立てますか?」


「‥‥‥‥‥‥」


 ミネアさんはまだ腰が抜けているようなので俺はミネアさんを抱き抱える。いわゆるお姫様抱っこだ。すると突然ミネアさんは我に返りいきなり俺にキスをしてくる。それもアリシアさんとは違い口にだ。俺は抱き抱えていたため防ぐことが出来ず、ミネアさんにファーストキスを奪われてしまった。


「ユウキ君、私はもう貴方の物よ。私を妻にさせて。一番で無くても良い。もうユウキ君無しでは生きて行けない」


「何を言っているんですか。勝負には俺が勝ったじゃないですか」


「抱かれたいとか子供が欲しいとかそんな事ではない。ユウキ君の事が本当に好きになったの。それともユウキ君は歳上は嫌い?」


 確かにミネアさんはかなり綺麗な女性でスタイルも良い。しかし出会った初日に直ぐ結婚なんて考えれない。


「俺、まだミネアさんの事をよく知らないので直ぐに返事は出来ませんよ。それに今は竜王祭で優勝してSランクに成るって目標があるので‥‥」


 ミネアさんは少し落ち込みながらも自分が断られていないことに気付く。


「じゃあ私の事を絶対に好きにさせて見せるから。それまでは友達って事で良いかな?」


「わかりました」


 ミネアさんは取り敢えずは納得してくれたが、竜王祭に行くとなると今度は二人で行くことになるのでは?と少し不安を覚えながらも取り敢えずは優勝したことに喜びを感じていた。



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