第2章 竜王祭予選★4★
予約投稿の時間を間違えてしまいました。申し訳ありません。明日からはいつも通り昼の12時に投稿します。
「それでは1回戦最後の試合を始める。Aランク冒険者フェル、同じくAランク冒険者セレナ前へ」
出場者最後の二人が呼ばれる。二人とも片手剣を使うオーソドックスなタイプのようだ。見た感じミネアさんの方が強そうなので俺と戦う事はないだろう思い特に鑑定は使わなかった。二人の実力は拮抗していたため僅差でセレナさんが勝った。
「暫く休憩したら準決勝を始める。それに勝った者は竜王祭の出場が決定する」
休憩に入るとユーリさんが近くに来た。
「ユウキさん、先ずは初戦突破おめでとうございます」
「ありがとうございます。でも次はアリシアさんとですからね。簡単にはいかないと思いますけどね」
「流石ユウキ君。簡単ではないけど勝てるって事だね。決勝であたし以外に負けてもらっちゃ困るからね」
ミネアさんが話し掛けてくるが、ユーリさんはミネアさんの試合中の言動を見ていたため動きが止まる。
「ユーリ、私もユウキ君のこと好きになっちゃったよ。だから負けないからね!」
「そんな‥‥‥で、でも私だって負けませんから」
俺を挟んで二人は決意表明している。ミネアさんは露骨に言ってくるからわかるけど、ユーリさんも俺のこと好きなのか?俺はユーリさんを見ると、ユーリさんは自分の言ったことにやっと気がつき赤面してしまう。
「あの、えっと、今のはですね間違い‥‥じゃない、ん~‥‥ユウキさん次も頑張って下さい」
ユーリさんは走って行ってしまった。ミネアさんはそんなユーリさんを見て笑っている。
「それではそろそろ準決勝を始めたいと思う。Sランク冒険者アリシア、Aランク冒険者ユウキ前へ」
アリシアさんは初戦と同じく何も武器を取らないので俺も武器を取らず素手で勝負することにする。空手をやっていた俺にとっては全く問題ない。
「素手でだと?相手にあわせるとは私もなめられたものだ」
「それでは試合始め」
俺は空手の時にしていた構えをとる。体を半身にすることで相手の攻撃面積を少なくすることが出来るからだ。アリシアさんは俺の構えに隙がないことに気が付いたらしい。様子を見ていたアリシアさんはかなりのスピードで飛び込んできて俺に攻撃を繰り出すが俺は全て捌く。豪腕の二つ名は持ちだけあって捌いている手が少しだか痺れている。俺は逆にこちらから飛び込み攻撃を繰り出すが、アリシアさんは全ては捌き切れず何発かは当てることが出来た。俊敏は俺の方が高いのでこのままでも勝てそうではある。しかしこれ以上腕が痺れるのも嫌なのでアリシアさんの攻撃に合わせて腕を取り柔道技の一本背負いで床に叩きつける。そのまま俺は床に倒れているアリシアさんに止めをさそうとしたが寸前の所で止めた。
「くっ!貴方、とんでもなく強いわね。こんな強い男性がカルナディアに居たなんて‥‥参ったわ。私の負けよ」
「普段使っている武器を使われていたらわかりませんでしたよ」
俺はアリシアさんの手を引き起き上がらせる。アリシアさんは笑顔になり俺の頬にキスをする。観客からは悲鳴が響く。その中でもミネアさんの罵声が一番大きかった。
「‥‥勝負あり。勝者ユウキ」
あまりの事にライルさんも唖然としていて止めるのを忘れていたみたいだった。
「ミネアさん。俺は一足先に決勝で待ってますからね」
「ユウキ君!そんなことより、アリシアの攻撃は防ぐのにキスは受け入れるんだね。見損なったよ!」
「あれは予想外だったんで‥‥。別に受け入れた訳じゃないですよ」
「本当だろうね!ユーリもあそこで睨んでるよ」
確かに階段の近くから観ているユーリさんは此方を見ていた。
「二人とも考えすぎですよ。そんな事よりミネアさんは次の試合大丈夫なんですよね?」
「そんな事って‥‥‥。私達には大事なことなんだけど‥‥まぁ見ていたまえ、お姉さんは強いんだから」
「それでは次の試合を始める。Sランク冒険者ミネア、Aランク冒険者セレナ前へ」
試合が始まるとあっという間にミネアさんが勝ってしまった。ステータス的にはミネアさんより俺の方が高いが余りに気合いが入っているミネアさんを見ると少し怖くなってきた。




