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第2章 Aランクの異世界転生冒険者 ★19★

 今回は少し長めです。出来れば1話2000字位で仕上げたいと思っているのですが多かったり少なかったりと悪戦苦闘しております。

 ブックマークがまだの方は是非お願いします。気が向いたら評価の方も宜しくお願いします。

 俺はせっかくユーリさんとお茶していたのを邪魔され少し機嫌が悪くなった。


「ユーリさんは日の本の国の食事を出す食堂知ってますか?良かったら今度一緒に食べに行きませんか?」


 俺は貴族らしき女性を無視してユーリさんとの話を進める。


「貴方、私の話を聞きなさい!」


「どちら様ですか?」


 俺はその女性がソリティアだとわかっていたがギルの事といい、せっかくのお茶を邪魔されている事といい知らぬ存ぜぬで相手をする。


「ゴルド遺跡で私に無礼な態度をとっていたのを忘れたのですか!」


「ゴルド遺跡には行ったことは有りますが無礼な態度をとったことなんかないですよ。横柄な態度をとられたことは有りますけども。なので人違いではないですか?」


 俺が白々しい嘘を言ってるのがわかってユーリさんは肩を震わせ笑いを堪えていた。それとは対照的にソリティアは機嫌を悪くする。


「あくまでも知らないと言い張るか。まぁいい、私はお前が気に入った。お前を私の婿にしてやろう。どうだ嬉しいだろう?」


「ごめんなさい。タイプじゃないんで無理です」


「そうだろう、これでお前もクレンスフォード家の一員に‥‥‥‥?今なんて言った?」


「タイプじゃないんで無理です」


 ソリティアはまさか俺が断るとは思って無かったみたいだ。そもそも俺の事を散々悪く言っていたのに何故婿に欲しいと思うのか良くわからなかった。俺の冒険者としての力が欲しいだけならお抱えの冒険者にすればいいだけだ。確かにソリティアはかなり綺麗だ。自分でも自覚しているだろうが俺的には貴族と結婚なんて考えたくもない。そもそも性格に難が有りすぎる。


「貴様、私が貰ってやると言っているのだ!庶民は貴族の言うことに黙って頷いていれば良いのだ!」


 ソリティアのお付きの侍女らしき人達も俺の言動に怒りをあらわにしている。


「そういうところが嫌なんです。庶民だから貴族の言うことを聞け?そんな偉い立場なら庶民の見本となり好かれるような言動をするべきではないのですか?」


 俺は貴族相手という事で言葉遣いを丁寧にした。後で暴言をはかれたと言われないためだ。辺りには野次馬も沢山おり貴族がワガママを言っていることをわかっているようだ。俺に求婚を断られたことを笑ってる者もいるし、良いことを言った!と叫んでる者もいた。


「それに小飼の冒険者に汚い手口を使わせ、脅迫紛いの事をクレンスフォード家の方はされました。そんな貴族の一員になりたいと思うわけないじゃないですか」


「何を訳のわからないことを。クレンスフォード家の名を汚して只ではおかないぞ!」


「〔絶影〕のギルを知らないとは言わせませんよ。奴が全部吐きましたから。ギルド長のライルさんにも報告済みです」


 ソリティアはサリーちゃんの誘拐事件の事は知らないみたいだがギルの事は知っているみたいだった。そして何か思うところがあったのだろう。渋い顔をしながら侍女達を連れて消えていった。


「ユーリさんスミマセンでした。変なことに巻き込んでしまって」


「そんなことないです。とても格好良かったですよ。庶民の見本となるような貴族、そんな貴族がいれば庶民ももっと暮らしやすくなるんですけどね」


「ですね」


 俺とユーリさんはお互い見合って笑みを浮かべる。俺はその後もユーリさんと話をし、帰り間際には「今度その食堂に連れてって下さいね」と言われた。俺は宿屋に戻り延長の金を払う。竜王祭に参加するためにいつ出発するかもわからないので今月いっぱい延長したいとおかみさんにいうと、何度も助けてくれたから10銀貨で良いとまけてくれた。

 翌日は、前に天照を買った武器屋に行きオークソルジャーの剣を3本売り3金貨になった。そのまま露店等を見て回る。前にサリーちゃんに買ったような、精霊の涙みたいな掘り出し物を探して回る事にした。竜王祭で優勝するための確率を少しでも上げたかったからだ。しばらく見て回ったが中々掘り出し物は見つからなかったが1つだけ目に付いた物があった。それは一足の靴だった。俺は鑑定を使ってみる。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

天馬の靴

ランク:A

風の魔力を込めると1度だけ空中に足場を作り蹴る事が出来る。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 (この靴を履いていると空中でも回避したり出来るな)


 俺は店主に靴の事を聞いてみた。


「良い出来だと思うんだけど何も効果が無くて中々売れないのよ。珍しい革を手に入れたから足が速くなったりするかなって思ったんだけど変わらなかったし。材料費だけでも元は取らなきゃ赤字になっちゃうのよ。10銀貨でどお?」


「見た目が気に入ったから買いますよ」


 俺は即決で買う。店主には悪いが、ちゃんと目利きのスキルがあれば効果はわかっただろう。しかし普通の冒険者だと魔力を込めるなんて事が出来ないらしいから宝の持ち腐れになるのは目に見えている。俺なら使いこなすことも出来るので無駄にはならないはずだ。俺は他の店でもサリーちゃんに買ったのと同じネックレスの精霊の涙を見つけたので買っておいた。昨日ユーリさんと居るときにソリティア達に会ったので、ユーリさんにも何か危害が及ぶ事を気にしたからだ。ただでさえハーフエルフと言うことがバレてしまえば危険なので持っていて損はないはずだ。明日予選を受けに行った時に渡しておくことにする。俺はいつもの食堂で遅めの昼食を食べ明日の予選の為に早々と宿屋に戻った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「お父様、少しお話をよろしいですか?」


「どうしたソリティア?何かあったのか?」


「お父様が良く使っていたギルという冒険者のことなのですが‥」


「彼奴か。執事長に頼んでお前の言っていた冒険者の事をギルに依頼したのだが失敗したらしくてな。なに、もう少し待っていなさい。何とかしてみせるからな」


「ギルがどんな手を使ったのか聞いておりますか?」


「そんなの知るわけなかろう。クレンスフォード家として依頼はしたが手段は問わずと伝えているからな」


「‥‥‥お父様。ギルは何か良からぬ手段を使い失敗したらしく、クレンスフォード家の依頼だとその冒険者に話したらしいのです。その事はギルド長のライル様の耳にも入っているみたいなのです」


「何だと!ならば国王の耳に入るのも時間の問題か‥‥何か手を打っておかなければならぬか」


 男は執事長を呼び話を聞いた後ギルを始末するよう指示を出す。しかしソリティアの欲しがっている冒険者がどれ程強いか、そしてクレンスフォード家が虎の尾を踏んでしまった事にはまだ気づいていなかった。

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