第2章 Aランクの異世界転生冒険者 ★13★
「ちょっと金欠でな。割りの良い依頼だど俺も思っていたんだが、流石に数十体となると俺一人では難しくてな。そんなときにお前が同じ依頼を受けようとしたって言うわけだ」
俺は正直パーティーを組むのは嫌だった。1番の理由は俺の力を余り見られたくないからだ。そしてもう1つは、前にサリーちゃんとカフェで時間を潰していた際感じていた、見られているような感覚が今のギルさんととても似ていたのだ。念のため俺は鑑定を使ってみる。
ギル・フェデラー
年齢 39 LV 49
種族:人間 職業:冒険者
体力:412
魔力:168
筋力:240
耐久:215
俊敏:362
スキル:〔短剣術LV5〕 〔闇魔法LV3〕 〔影渡り〕 〔影縫い〕
〔影渡り〕:影の中を移動することが出来る。
〔影縫い〕:影を縫い付けることで相手の動きを封じることが出来る。
スキルを見ると忍者みたいで暗殺や情報収集に特化したような印象だった。
「スミマセン!暫くは誰ともパーティーを組むつもりはないので、ギルさんがそれでも依頼を受けるなら俺はこの依頼降ります。ギルさんがやらないなら俺はソロでやりますけど」
「そうか、わかった。この依頼はお前に譲るよ。‥‥‥ただな小僧!目上の人や年上の意見にはしたがった方が身のためだぞ」
ギルさんは俺を睨み付けた後ギルドを出て行った。ユーリさんは俺とギルさんのやり取りをおろおろしながら見ていた。
「じゃあユーリさん。この依頼俺が受けますんで。早速行ってきますね」
「わかりました‥‥本当に気を付けてくださいね」
俺はレーベルの森へ向かいオークの集落を探した。森の中を一時間程歩きオークを何体か討伐し集落らしき物を見つけた。入り口らしき所に見張りと思われるオークが2体おり、集落の中には軽く見ただけでもオークが20体程おりオークソルジャーも数体混じっている。
「さて、どうするかな。広範囲の魔法を使って一撃で壊滅させても良いけど‥‥そうすると森にも被害が及ぶし素材も取れなくなるな。かと言って1体ずつ倒すのも面倒だしな」
取り敢えず俺は素材として持ち帰るのはオークソルジャーだけにすることにした。前にオークはサンダーボルトで一撃で倒せたし、オークソルジャーにもかなりのダメージを与えれるのは分かっていたのでオーク達の数だけサンダーボルトを同時に出せないかやってみる。視界に入らない奴もいるが今の俺はどの辺りに何体いるか何となくだか分かっていたからだ。
(単発ではなく大量の雷を落とす感じかな。名前を付けるならサンダーレインって所かな)
俺は上空から雷を落とすイメージをするとオークの集落の上空が暗くなり雷雲みたいなものに覆われた。次の瞬間大量の雷がオークの集落に落ちる。ものすごい音に辺りにいた鳥達が一斉に飛び立っていった。この光景を見たら誰もが魔法なんかではなく神の天罰か何かだと思うだろう。1分程だっただろうか。サンダーレインも終わり集落の中からはオーク達の気配はしなくなっていた。しかし前にオークソルジャーにいきなり足を捕まれ攻撃をされたことがあったので、念のためオークソルジャーだけは鑑定し生きているか確認だけはした。全部でオークソルジャーは3体いたが全部死んでいた。サンダーレインがサンダーボルトよりも強かったのか、もしくは何発か当たって倒したのか、それとも魔力が上がり魔法の攻撃力が上がったのかはわからなかった。取り敢えず3体のオークソルジャーとオークソルジャーの剣をアイテムボックスにしまい、依頼を終えたことを報告に戻ることにした。
帰り道俺はレベルがどれだけ上がったのか鑑定してみた。
タカミヤ ユウキ
年齢 16 LV 82
種族:人間 職業:冒険者
体力:840
魔力:820
筋力:560
耐久:520
俊敏:675
スキル: 〔武術の極み〕 〔魔術の極み〕 〔成長の極み〕〔鑑定〕 〔アイテムボックス〕 〔言語翻訳〕 〔魔力闘衣〕 〔詠唱破棄〕 〔状態異常耐性〕 〔気配感知〕New
〔気配感知〕:人物や魔物等の気配を感知し、どの辺りに何体いるかまでわかるようになる。敵意を持つものは意識しなくてもわかる。
(いつ覚えたかわかんないけど、これのおかげでギルさんのことやオーク達のことがわかったのか)
「これなら敵からの不意打ちや魔物を狩る時にも使えそうだな」
俺はレベルが上がったこと、新しいスキルを覚えたこと、そして大量の素材も採れたことに満足しギルトへ足を早めた。




