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第2章 Aランクの異世界転生冒険者 ★11★

 買い物を終えて俺達は街中をぶらぶらしていた。まだ夕方までには時間があるのでオシャレなカフェに入る。メニューを見ると日本でも見たような商品が幾らかあったので俺はコーヒーを注文する。サリーちゃんはハーブティーとレモンのタルトを注文した。


「サリーちゃんのお父さんってどんな人なの?」


「私は会ったことないんだ。昔お母さんが貴族の家で働いていたときに私ができたらしいんだけど」


(聞いちゃいけないことだったかな?でもそれだとサリーちゃんは貴族の隠し子になるんじゃないか?)


「ユウキお兄ちゃん、気にしなくて良いよ。この国の一般庶民はそんな感じの子がすごい多いんだよ。お父さんと一緒に暮らしていたり、ちゃんと結婚する人なんてごく一部なんだから。子供を授かれるだけでもありがたいんだよ」


「この国は男性が少ないからそれが当たり前になってるのか。でも俺は好きな人とはずっと一緒にいたいしな」


 サリーちゃんは俺を見ながら妄想に浸っているようだ。まぁ俺もサリーちゃんとなら付き合いたいとは思っているが、宿屋暮らしの男が告白なんて情けないのでもっと生活が安定したらなぁとは思っていた。俺はその時誰かにみられているような感じがしたが、またいつもの女性達だと思っていたが‥‥‥



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「アイツがソリティア様の言っていた冒険者だな」


「あぁそうだ。Aランク冒険者〔闘神〕のユウキだ。Aランクだが、あの〔閃光〕のライルに模擬戦で勝ち驚異的なスピードでランクを上げたらしい」


「Sランクの〔閃光〕のライルに勝っただど?化け物じゃないか」


「どうせライルが手を抜いたんだろ?俺も直接は見てないがあの若さで勝てるはずがない。あんなガキなんか俺の相手にもならないさ。俺だってAランク冒険者、〔絶影〕の2つ名を持ってるんだ」


「目的は奴を殺る事ではない。ソリティア様が彼奴を欲しがっているのだ。まぁ婿としてなのか駒としてなのかはわからんがな」


「わかってるよ。クレンスフォード家からの裏の依頼なんだ。いつも通り「手段は問わず」だろ?」


「そうだ。あの男がソリティア様の物になるなら手段は問わない」


「それじゃあ依頼通り3日以内に何とかするよ」


 男二人はそこまで話終えると人混みに紛れていった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「サリーちゃんそろそろ戻ろっか」


「そうだね。戻って夕食の準備を始めないといけないし」


 俺達は宿屋に戻りサリーちゃんはお礼を言って仕事に戻っていった。俺は夕食が出来るまで部屋に戻り今後の予定を考えていた。マサムネ達に頼んだ防具が出来るまで1週間はあるし、今日の買い物等でかなり使ったが、お金はまだ4金貨程は残っている。取り敢えずまたレベル上げでもすることにする。ゲームや漫画、ラノベなどがないとほんとに時間を潰すことも出来ないことに気付く。元の世界の時は空手の大会で優勝目指していたから時間をもて余すこともなかったのだ。


「レベル上げついでにギルドでユーリさんにでも、何か武道大会的なのでもないか聞いてみるかな」


 俺は夕食を食べた後はいつも通り風呂に入り早々と休む。


 その頃ギルドの一室では‥‥‥



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「よう、ライル。まだ書類整理か?」


「俺はお前と違って部下がそんなにいないからな。それにしてもお前もこう何度も王宮を抜け出して大丈夫なのか?」


「抜かりはないさ。こう見えても元はSランクの冒険者だぞ。〔賢者〕の2つ名は伊達じゃないさ」


「確かにお前の魔法があれば気づかれずに抜け出すのもわけないか。それで今日は何の用だ?」


「前に話したユウキとかって言う冒険者の事なんだが‥‥」


「ユウキ君がどうかしたのか?」


「結論から言うと、ちょっと不味いことになりそうだ」


「どういうことだ?」


「クレンスフォード家がユウキに目を付けて動いているらしい」


「クレンスフォード家だと!確かに昨日ユウキ君がゴルド遺跡にゴーレム討伐に言った際、遺跡管理でソリティア嬢が来ていたらしいからな」


「クレンスフォード家は今の王政の反対勢力のトップだ。俺も余程の事がない限りは動くことができない。表だって動くと内乱が起きてしまうからな」


「ユウキ君も厄介なのに目を付けられたものだ」


「取り敢えず、命を狙われたりとかはないとは思うがアイツの事だ。餌をちらつかせて上手く取り込む気だろう。ユウキはあの歳で2つ名持ちだからな。いずれはSランクにもなるだろうし」


「大人の利権争いに巻き込みたくはなかったからお前に頼んだんだがな」


「無理言うなよ。俺の立場も考えてくれ。出来ることはするがお前からもユウキに言っておいてくれよ」


「わかった。私も何か対策を考えておく」


「あぁ、それじゃあな」


 俺はそんな話がギルドでされていたとも知らずベッドで眠りに就いた。


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