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第2章 Aランクの異世界転生冒険者 ★9★

 昼過ぎまでまだ時間があるので俺はマサムネの所に顔を出す。前に鍛冶師をしている場所は聞いていたのだ。マサムネのお母さんの食堂から5分程歩くとその鍛冶屋はあった。


「すみません。マサムネはいますか?」


「おい!マサムネ!お客さんだぞ」


「はいはい、いらっしゃいませってユウキじゃねえか。どうしたんだ?」


「ちょっとお願いがあってね」


 俺はキメラの素材を売った後、先ずは防具を強化したいと思ったのだ。それも市販品ではなくオーダーメイドでだ。今回の素材を使って、上手く軽くて丈夫な属性付きの防具がマサムネなら出来るんじゃないかと思ったのだ。


「軽くて守備力の高い防具をオーダーメイドしたいんだけど」


「軽くて守備力が高いとなると、普通の金属だと難しいなぁ」


「それでなんだけど、この素材を使うことは出来るかな?結構レアな素材らしいんだけど」


 俺はキメラの素材をマサムネに見せると目利きで鑑定しているようだ。


「‥‥‥!何だよこの素材!親父、ちょっと見てくれ!」


 先程始めに話しかけた人がマサムネの父さんだったようだ。筋肉質でまさに職人といった風貌だった。


「これは‥‥。面白い素材だな。おい坊主、こんなのどこで手に入れてきた。いくら貴族だからって、金を出せば手に入るようなもんじゃねえぞ」


「親父!違うんだって!」


 マサムネが俺の事を説明してくれた。流石にこの歳でAランクの冒険者だとは直ぐに信じてもらえなかったので、プレート迄見せたらやっと信じてもらえた。


「悪かったな、俺は貴族が大嫌いでな。俺の名前はムラマサだ。この出来の悪い息子の父親だ」


 隣ではマサムネがぶつぶつと文句を言っているがほんとに仲の良い親子に見える。俺はムラマサに刀使いで、得意なのが居合いの技と俊敏を生かしながら魔法も使うため、軽くて守備力が高い防具が欲しいと伝える。


「結論から言うと出来るぞ。その属性付きの素材があれば何とかなるがかなりの値が張るぞ」


「素材持ち込みでも結構するんですか?」


「いいか、ユウキ。革は確かに金属に比べて軽いが守備力が低い。金属は守備力が高いが革より重い。となると守備力が高い革を使うか、軽くて守備力が高い金属を使うかしかない。ここまではわかるな?」


 マサムネが鍛冶のいろはもわからないだろうと俺に説明してくる。


「守備力が高い革の代表だと竜とかになるが、そんなのまず倒せる奴がいない。竜の素材なんて数百年出回ったなんて話も聞いたことがないしな。となると金属になるんだが、良い効果が期待できる金属は希少価値が高い。それに伴って値段も上がるんだ。ユウキのミスリルプレートだって価値は凄く高いんだよ」


「なら金属を使うとなればどんな金属が良いんだ?」


「軽くて守備力も高く素材の魔力も上手く付与するとなればやっぱりミスリルだろうな」


 ムラマサが腕を組ながら答える。確かに俺が持ってるプレートも、見た目のわりに紙みたいに軽いしと納得する。


「作るとなれば幾らになりますか?」


「金貨10枚はするな。そんなのお前には無理だろ?」


 俺は金貨を10枚取り出しテーブルに置く。


「だからユウキ、聞いてたか?銀貨じゃなく金貨だって‥‥‥!」


「金貨10枚あります。是非お願いします」


 マサムネとムラマサは口をパクパクさせながら驚いている。流石にこの歳の冒険者が金貨10枚も持ってるなんて思わないはずだ。


「ユウキ、お前ってほんとに何から何まで規格外なんだな。よし、親父!この仕事受けても良いよな?」


「勿論だ。こんな良い素材を使えるなんて鍛冶師冥利に尽きる。それに飲み屋の借金も‥‥‥」


 余計な事を言わなければ、流石職人なんて思ったんだがまぁ原価で仕事なんか普通はしないからな。取り敢えず俺達3人は食堂に場所を移し、昼飯を食べながら詳しい打ち合わせをした。期間は1週間程掛かるそうなので、またその頃伺うことにした。そろそろサリーちゃんとの約束の時間なので俺はマサムネ達と別れ宿屋に向かった。


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