第5章 連合軍VS邪神★16★
「人間にしては良くここまで戦ったものだ」
俺は神の魔力を使わないまま邪神と戦っていたがかなりじり貧になっていた。致命傷は受けていないもののかなりのダメージを受けている。それに対して邪神はかすり傷程度のダメージしか受けていない。俺は回復魔法をあえて使わないでいる。戦いでは止めを刺そうとする時が1番隙が生まれるのを知っている。その時に神の魔力を纏い一気に攻撃をする為だ。
「だ、だったらご褒美として撤退してくれたり‥‥‥するわけないよな」
俺は雷、火、土、光の魔力を常に纏いながら戦っている。速さに関してはほぼ互角だがパワーではまだ邪神の方が上だ。それでも致命傷を受けていないのは土の魔力で耐久を上げているお陰だ。
「そろそろお前との勝負も飽きた。この余興も終わりにさせてもらおう」
邪神が闇の魔力を集め魔法を放とうとする。
「ダークリベリオン!」
黒い霧が辺りを包んだと思ったらその霧は俺に向かって収束してくる。俺は今しかないと思い神の魔力を纏う。俺は転移のスキルを使い邪神の上に転移する。いくら俊敏が上がっても動きを目で捉えられれば攻撃は防がれてしまう。この奇襲は1度しかチャンスはない。邪神もいきなり俺が消えたことで俺の姿を見失っている。俺はありったけの魔力をタケミカヅチに込め邪神目掛けて振り下ろす。
「!?」
攻撃の瞬間の気配を感じ取り邪神は俺の攻撃をかわそうとする。しかし邪神の回避は間に合わない。俺のタケミカヅチがそのまま地面に突き刺さり、大地は震え巨大な亀裂が入る。俺の目の前に邪神の腕が転がっている。
(くそっ!仕留めれなかったか‥‥‥だが今なら)
俺は自分の背後に再度魔力を込めて振り払うが俺の攻撃は止められてしまう。
「貴様!この魔力は神と同じ‥‥‥よくも私の腕を!」
邪神は黒い魔力を収束し盾のように使い俺の攻撃を止めたようだ。俺の輝く魔力とは正反対の禍々しい黒い魔力。片腕を失った邪神はその魔力を剣の形に変え攻撃をしてくる。先程までと違い速さでもパワーでも邪神に遅れを取ってはいない。殆ど互角と言っても良い。後は俺の魔力がどれだけ持つかだ。精霊王様から頂いた魔力回復薬は残り3つある。魔力が切れた時点で勝負はついてしまうだろう。神の魔力を纏ってステータスを上げることは出来ても魔力の量だけは上げることが出来ない。むしろ普段の魔力闘衣よりも燃費は桁違いに悪い。俺は短期決戦で勝負するしか手はないのだ。
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ミネア達がユウキの元に向かっているといきなり大地が揺れ始めた。
「ちょっと、一体何これ!地震?」
「いえ、これはユウキさん‥‥ユウキさんの魔力が大きくなっています」
「多分神の魔力を使ったんだと思う」
「あの時の‥‥‥急ぐわよ!ユキネ、サタン!」
ミネア達は不安を覚えユウキの元に急いで向かった。




