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第5章 連合軍VS邪神★9★

 翌朝俺はかなり早く目を覚ました。まるで空手の大会の日の朝のように。世界の命運が掛かっているのに何処か強い者と戦うのにワクワクしてる自分がいる。


「少し不謹慎だな俺‥‥‥」


「何が不謹慎なのだ?」


 いきなり声を掛けられ振り向くとゴエモンさんだった。


「随分早いですね‥‥‥」


「老人は早寝早起きだからな。‥‥‥ユウキよ、強い者と戦うのに気が高まるのは悪いことではないぞ。お前も根っからの武人ということだ」


「ゴエモンさんもですか?」


「若い時程ではないがな。わしも若い時は自分よりも強い者と戦う時は怖さよりも嬉しさが勝ってしまっていた。そのせいで何度も死線をさまよったりもしたがな」


 ゴエモンさんは笑って話す。


「だがユウキは余り無茶してはいかんぞ。わしと違って失いたくない物があるのだろ?」


「えぇ‥‥‥。まだやりたいこともありますしね。さっさと厄介事を片付けて帰りましょう」


「これから邪神と戦うというのに‥‥‥。本当にユウキは底が見えないの」


 お互い笑みを浮かべながら顔を洗っていると他の冒険者もちらほら起きてきたようだ。俺はアイテムボックスから朝食用に作って貰ったサンドイッチとコーヒーを大量に出す。作る手間もなく出来立ての料理が食べれることに冒険者達は喜んでいる。朝食を終えた後俺と土の精霊は罠を仕掛けに行く。土の精霊が魔法を使うと縦横三百メートル程で深さが十メートル程の穴が出来上がった。其所にアースメイデンと同じ様な針を作った。更にその穴がわからないように地面を再現して見せた。目を凝らしても何処からが落とし穴かわからない。


「目印を作っておかないと作業を見ていた俺でもわからなくなりそうだぞ‥‥‥」


「では目印に岩を作って置きますね」


「これならわかるな。上手くいけば数千位は引っ掛かりそうだな」


 無事罠を仕掛け終わり自軍に戻るとサタンがゴエモンさん達に話をしている。


「どうしたんだサタン?」


「上空から偵察をしてきたんですが、後一時間もすれば戦闘になります。予定よりも少し早くなりそうです」


「そうか。こっちも罠の設置は終わった。目印に岩を設置してあるからそこから先には進まないように部隊長は皆に伝えてください」


「「「わかった」」」


「ねぇユウキ、ここはリーダーが士気を高める為に何か言わないと」


 皆が俺を見る。確かに邪神と戦うなんて普通なら不安でしょうがないだろう。俺は風魔法を使い皆に声が届くようにする。


「それでは皆さん、これからの戦いに世界の命運が掛かっています。でも世界を救おうとかそんな大きな事は考えないで下さい。皆さんには守りたいものがあると思います。それは家族だったり、恋人だったり、友人だったり。その人の笑顔を守るために戦いましょう!」


 俺がそう話すと、俺の話を聞いて静かだった冒険者達から大きな声が上がる。その光景を見て皆の士気が上がったことを実感する。


「ユウキ、貴方は私が守るからね」


「私もです」


「邪神ごとき女神の使徒が退治して見せますから」


「皆‥‥‥。俺も皆を絶対に守る。俺の幸せは邪神ごときに邪魔はさせないからな」


 それから約1時間後、遂に邪神の軍勢と連合軍の戦いの火蓋が切って落とされた。


 

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