第5章 連合軍VS邪神★8★
馬車に揺られながら俺達は今後の作戦について話をする。
「精霊達が各部隊に援軍として付いてくれたのは大きいわね」
「確かにかなりの戦力になります」
「後は気掛かりなのは、アンデットになったレオンや他のハンター達がどれくらい強くなってるかだな‥‥」
「アンデットは痛みを感じることがないので少し位のダメージでは動きが止まりません」
「そうだな。それに邪神が加護を与えてるかも知れないから以前より強くなってると思って良いだろうな。それにアンデットならば光属性が弱点になるだろうし」
「そうね。私達がレオンと邪神を相手にするって事になりそうね」
「それが1番被害を出さない無難な作戦だろうな」
大まかな作戦は決め、後は敵の軍勢の陣形を見ながら決めることにした。その後夜営を取りながら進み目的の場所に着いた。サタンに飛行のスキルで敵がどれ程の場所まで来ているか確認してもらったが、俺達と戦闘になるのは明日の午後になるみたいだ。直ぐ様俺は土魔法で小屋を作り作戦本部としてその小屋を使うことにした。各部隊の隊長を集め話し合いをする。部隊長はゴエモンさん、1級魔導師のマーリンさん、イース国のSランク冒険者のネフィルさんだ。勿論精霊の長達も集まっている。
「皆さんにお話があります。これから俺は罠を仕掛けたいと思います」
「どの様な罠を仕掛けるのですか?前の話では強力な魔法は使わないと言っていましたが‥‥‥」
「遅延発動型の魔法ではなく間接的に魔法を使おうと思ってます。土魔法で穴を掘りその中に魔法で土を固めた針を設置しておきます。後は同じく土魔法で表面をわからないように細工しておけばそれなりの数を減らせるんではないかと思いまして」
「確かにそれなら魔法を跳ね返したりは出来ませんね」
「その役目は私がやります。土の精霊の長としてこれ以上の適任者はいないでしょ?それにただわからないように細工するよりも、ある程度の強度を持たせて一定の重さが掛かったら崩れるようにしておけばもっと数を減らせますし」
「流石土の精霊の長ですね。それではその罠の設置は任せます。穴はなるべく深い方が良いでしょう。敵が罠に落ちたらば直ぐに土を被せて塞ぐようにしましょう。そうすればこちらが穴に落ちる心配はないですし」
「ユウキさん、1つ良いですか?」
「どうしましたマーリンさん」
「敵に跳ね返される危険があるのでは私達魔導師は攻撃出来ないのでは?」
「俺が落とし穴が塞がったらファイヤーボールを威力を抑えて使ってみます。それなら反射されてもこちらがダメージを受けることはないので。もしそれが効くようであれば存分に使っちゃって下さい」
「わかった。敵に1級魔導師の力をみせてやろう」
「後は皆さん注意してほしいのが、アンデットになったことでどれ程敵のステータスが上がっているのかと言うことです。普通の住人ならば大丈夫だと思いますが、それなりの強さのハンター等ではランク的に1つ、もしくは2つ程上がっているかもしれません」
「BランクのハンターがSランク程に強くなってる可能性があると言うことか‥‥‥」
「但しアンデットなのであれば光属性が弱点になるはずですのでそれは覚えておいてください」
皆が真剣な顔つきになる。世界の命運を自分達が握っているのだから当たり前だ。
「今から緊張してら最後まで持ちませんよ。ジャスティ王から色々と貰ってきているので今夜はゆっくりしましょう」
俺はアイテムボックスから大量の料理や飲み物を出した。勿論今回連合軍に参加してもらった人達全員に行き渡る量だ。
「アイテムボックスのスキル迄持っているのか!羨ましい限りだな!」
その夜は連合軍に参加した皆に羽目を外しすぎないよう声を掛けてから翌日の戦いに向けて鋭気を養った。




