第2章 Aランクの異世界転生冒険者 ★7★
街に戻ってきたのは日が沈んだ頃だった。ギルドに向かいながら俺はあることに気づく。ゴーレムを討伐したことをどうやって証明したらいいんだろう。核を砕いたらバラバラに砕けたので持って帰れなかったし。キメラに関しては燃えてしまったからしょうがないが。
「ユーリさんに聞いてみるか」
俺はギルドに入りユーリさんに話しかける。
「ユーリさん、戻りました」
「あっ、お帰りなさいユウキさん。依頼の方はどうでした?」
「その件なんですけど‥‥‥」
俺はユーリさんに事情を説明するとユーリさんは問題ないと教えてくれる。ステータスを鑑定する水晶に触れると、自分が討伐した魔物の履歴がわかるらしい。その数大体100体程との事だった。
「確かに討伐されてますけど‥‥。このキメラって‥‥‥」
「はい、キメラも居ましたね」
「居ましたじゃないですよ。Aランク上位の魔物ですよ。そんな魔物がゴルド遺跡に居たんですか!」
ユーリさんの話だとキメラは学校の歴史などで大昔に存在した魔物として教科書に乗ってるらしい。(俺、倒して良かったのか?歴史的発見だったんじゃ)
「閉じ込められた部屋のボスで出たんですよ。かなり強くてヤバかったんですけど、まぁなんとか」
ユーリさんは詳しい話をライルさんにもしてほしいと、ライルさんの部屋につれていかれた。
「やぁ、ユウキ君。今日はどうしたんだい?」
ユーリさんはキメラの事をライルさんに話すと流石のライルさんも驚いていた。
「すまなかったねユウキ君。まさかキメラなんて化け物ががいるとは。依頼人の王宮にも連絡はしておくよ」
「王宮からの依頼だったんですか。だから騎士が居たんですね」
「イセキが荒らされないよう警備してるんだ。ちなみに何て言う騎士だった?」
「ソリティア‥‥ソリティア・クレンスフォードとか言ってました」
「クレンスフォード家の娘か。何か言われなかったかい?」
俺はゴルド遺跡であった事を話すとライルさんはため息をつく。
「これだから貴族は‥‥。特にクレンスフォード家はかなりの権力がある家柄だ。典型的なダメ貴族の代表なんだよ」
確かにあの対応の仕方や言葉遣い、それに差別主義ときたら目も当てられない。
「ユウキ君、気を付けるんだよ。貴族は根に持ちやすいからね。特に権力のある貴族ほどそれは強い」
「俺も貴族とは関わりたくないんで気を付けます」
~~~~~~~~~ソリティアside~~~~~~~~
「父上今戻りました」
「帰ったかソリティア。どうしたんだ?何か楽しそうだな」
「わたくしどうしても欲しいものが出来ました。どうか父上の力でそれを手に入れてほしいのです」
「何でも言ってみろ。私の力で手に入らぬものなど無いからな」
「今日、冒険者ギルドの者がゴーレム討伐を行いました。そのAランクの冒険者が欲しいのです」
「名前はなんと言うのだ?」
「庶民だったので名前は覚えてないのです。でも黒髪で黒い眼をした男性です」
「お前が男性を欲しがるとはな。しかし庶民など‥‥」
「父上!あれは我がクレンスフォード家がこの国の王族となるためには必要な男です。彼奴さえいれば‥‥‥」
「余程気に入ったようだなソリティア。わかった手に入れて見せよう」
「ありがとうございます」
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俺の知らないところで貴族にロックオンされていたがこのときの俺はまだそれを知ることはなかった。
「ユウキ君。そういえば君の2つ名の事なんだが」
「ふざけたのは勘弁してくださいよ?」
「先程キメラを倒した時の話を聞いて思い付いたんだが、以前君に「神の生まれ変わりか何かか?」って聞いたのを覚えているかい?」
「そういえばありましたね」
「それで2つ名は〔闘神〕はどうだろう?君の強さはまさに闘いの神の生まれ変わりではないか思わせる程なのでぴったりだと思うんだが?それとも〔魔王〕の方が」
「〔闘神〕でお願いします」
そして俺の2つ名が〔闘神〕に決まった。俺は刀を使うので日本っぽい感じの2つ名がとても気に入った。ライルさんも自分のセンスが気に入って貰えてとても嬉しそうだった。




