第5章 嵐の前の静けさ★5★
学校の建設が本格的に始まり俺達は資金集めに奮闘していた。敷地の整地は契約の翌日に済ませた。職人の人達と打ち合わせをしながら整地をしたが俺の魔法に驚いていた。整地で魔法を使うことはあるらしいがこれ程早く終わる事はないらしい。建物自体はあと金貨200枚稼げば足りるのだが備品などの購入のため目標は金貨300枚にした。ユーリが日数の掛からない討伐系の中でも割りの良い依頼を回してくれたので資金は順調に貯まっていった。そんな日が一月程続いたある日、依頼を終えてギルドに戻って来てユーリに話しかける。
「お帰りなさいユウキさん。このままギルド長の部屋に行ってもらっても良いですか?」
「わかったけどどうかしたのか?」
「ジャスティ王が来ています」
「‥‥‥わかった」
俺達はギルド長室に向かった。
「また厄介事じゃなきゃ良いわね」
「そうだな。まぁ余程の事でない限りは断るけどな」
俺達はノックして部屋に入る。部屋の中にはライルさんとジャスティ王がいた。
「ユウキ君、呼び出してすまない」
「ユウキ、久し振りだな」
「お久し振りです。それで今日はどう言った件ですか?」
「噂に聞いたんだが、町外れにある牧場の跡地に巨大な建物が建つって聞いてな。詳しく聞いたら依頼主はユウキだって言うじゃないか。今度は何をするのかと思ってな」
「その件ですか。実は学校を建てようと思いまして」
「学校?なんだそれは?」
俺は建設中の学校について説明した。
「面白そうだな。言ってくれれば国としても協力したんだが‥‥」
「ありがたいお話ですが慎んでお断りさせて頂きます」
「どうしてだ?ユウキが身銭を切ってやらなくて良くなるんだぞ?」
「この学校に国や権力者が絡むと厄介な事になりそうなんで。入学する子供達は生まれや種族は一切問いません。勿論入学試験は行いますが貴族の子供だからと言って入学出来るとも限りません。もし入学出来たとしても在学中は身分の違いなどでの差別は絶対にさせません。もし国から資金を出して貰ってそんな事をしたら貴族連中は黙ってないでしょ?」
「確かにな。一部の貴族は強引に入学させようとしたり、もし入学出来たとしても自分より身分が下とわかれば見下した態度をとりかねないだろうな」
「竜王祭で最年少優勝したSランクの冒険者が教えてくれるのですから入学の倍率も凄いことになりそうですしね」
ユキネが腕を組み頷きながら話をする。
「そう言う事ならばしょうがないな。だがもし完成したら見学くらいはしても構わないだろ?」
「それは大丈夫ですよ。出来れば他の国でも学校が出来て広まって行けば良いと思いますし」
そんな話をしながらもっと詳しく話を聞きたいと言うので詳しく説明を始めた。
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「この先が話のあった場所ですね。確かに前はダークドラゴンがいたと言う情報がありましたが今はいないようですね」
ルシフェルはお供の魔物を連れて神魔石があった場所に向かっていた。
「だが魔物を引き付ける鉱石など見当たらないではないですか。‥‥‥この散らばった小さな鉱石は‥‥‥」
ルシフェルは地面に散らばっている神魔石の欠片を手に取って見る。
「小さな鉱石ですがかなりの魔力が込められています。これなら‥‥‥‥、この辺りに散らばっているこれと同じ鉱石を残らず集めなさい!」
ルシフェルは神魔石の欠片を手にしながら不適な笑みを浮かべ指示を出していた。




