第5章 嵐の前の静けさ★4★
その日は家に戻りユーリが帰ってきてから学校の場所が決まった話をした。ユーリは翌日休みだというので夕食後に学校の建物はどうするか話し合った。
「先ずはどんなクラスを作るかだな」
「勿論剣術科は必要ですね」
「魔法科もよ」
「そうだな。後はその上の科として総合戦闘科っていうのがあっても良いかな。俺とかサタンは剣も魔法も使うからな。後はサリーが教えるなら料理科だろうな」
「ほ、本当に私がやれるのでしょうか?」
「大丈夫だよ。俺が保証するから」
ちなみにサリーの料理スキルのレベルは6まで上がっていた。俺がいないところでマサムネのお母さんに料理を教えてもらったりしていたらしい。短期間で料理スキルが其処まで上がるのは才能があるからだろう。
「ユーリは学校の事務全般と、剣術、魔法、総合戦闘の各科の講義を手伝ってもらいたい。冒険者になるっていう人もいるだろうからギルドの受付をやっているユーリが教えるのが適任だろうからな」
「それなら私でも大丈夫そうですね」
「各科の教室と演習場、後は食堂と俺達のいる職員室が必要だな」
「勿論更衣室も必要だからね」
色々と意見が出て、最終的には学校は3階建てになる予定で決まった。勿論外には別に演習場を作る予定だ。俺達は明日皆で学校建設に関して話をしに行くことにした。
翌日お店に行くと土地を買った店の店主から話は伝わっていたようだった。
「また随分面白いことを始めるみたいですね。どんな建物にしたいんですか?」
俺達は昨日話し合った学校の案を店主に話した。勿論それに伴う整地は俺がやるので少し勉強してもらうことも忘れないで話す。
「かなりの大仕事になるな。工期は約3ヶ月って所ですかね」
「そんなに早く出来るんですか?」
「なんと言ってもカルナディアを代表するSランクの冒険者様の仕事ですから店の職人全員で仕事に当たらせてもらいます。それに魔法も使いながらやりますので」
「助かります。それで料金の方はどれくらいですかね?」
「あれだけ広大な土地の整地はユウキ様がしてくれるのであれば金貨500枚って所ですかね」
「やっぱりそれくらいはしますよね‥‥‥」
「あまり安っぽく見えてもユウキ様の名誉に傷が付きますからね。それなりに見栄えを良くするとなるとそれぐらいが限界になりますね」
「皆はどうだ?」
「頑張って稼げば何とかなるんじゃない?」
「ユーリさんに割りの良い依頼を探して貰えば何とかなるんじゃないないですか?」
「それもそうだな」
「あまり私に期待しないでくださいよ‥‥‥」
「冗談だよ。依頼もそうだけどレアな素材とか集めれば何とかなるだろ」
皆もそれを聞いて納得したようだ。
「では始めに金貨300枚をお支払します。完成時に残り200枚のお支払で何とかなりませんか?」
「他ならぬユウキ様の頼みです。引き受けましょう」
「ありがとうございます」
俺達は皆でお礼を言った。しばらくは資金集めの為に頑張らなくてはいけないがこの世界で初の学校建設に向けやる気がみなぎっていた。




