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第4章 魔族VS人間★17★

 俺はゆっくりとルシフェルに向かって歩を進める。その異様な光景にルシフェルも剣を構える。俺は魔力を纏わせながら属性を付与していき神の魔力へと変えていく。


「なんですか、その魔力は一体‥‥‥」


「お前が知ったところで意味はねえよ‥‥」


 俺は剣を振り上げどんどんと近付いていく。その光景に不自然に思いながらも隙だらけと判断したルシフェルは斬りかかってくる。俺の無防備な中段に攻撃をしてくるが俺は全力でタケミカヅチを振り下ろす。咄嗟にルシフェルは俺の攻撃をブラッディソードで防ぐが吹き飛ばされ転倒する。技などではなく力で吹き飛ばした。ルシフェルは直ぐに起き上がり再度構えをとる。俺は先程と同じように吹き飛ばしたルシフェルに向かって歩く。ルシフェルは魔道具を使いゲートを出現させる。ミネア達を攻撃したようにそのゲートに向かって剣を突き刺そうとした瞬間、俺は上空に向かってタケミカヅチを突き上げる。その瞬間上空にゲートが現れ、ルシフェルよりも先に俺の攻撃がルシフェルの肩口を貫く。


「くっ、何故ゲートの位置がわかるんです‥‥」


「教えてやる義理はない」


 実際は神の魔力を纏っていると何時もよりも感覚が鋭敏になっているのがわかる。それこそ目を瞑っていても相手の動きが手に取るようにわかる。ルシフェルが魔道具を使った瞬間微量な魔力が俺の上空の空間を歪めているのがわかった。後はそこに攻撃をしただけだ。


「つ、強い‥‥‥。それにいつものユウキさんじゃないみたい」


「えぇ‥‥‥。剣での勝負は普通お互いの攻撃を読み合いながら、いかに相手が防げない攻撃を繰り出せるかで勝負は決まります。でも今のユウキさんはルシフェルの攻撃を全力でうち伏せる形をとっています。本来こんな光景は圧倒的な力の差がないと起きないんです。それを魔神相手にするなんて‥‥‥」


「ちょっとどうしたのよユウキ‥‥」


 この光景を知らない人がみたら魔神を相手にしてるとは微塵も思わないだろう。人間よりも遥かに強いそれが魔神の常識だからだ。


「貴様一体何者なんだ‥‥‥こんな力人間では有り得ない!」


 俺はタケミカヅチに魔力を大量に纏わせルシフェルに向かって振り下ろす。むろん刀身自体はルシフェルに届く距離ではない。纏わせた魔力を衝撃波として放ったのだ。だがその攻撃にルシフェルだけでなくサタン達も驚きを隠せない。底が見えないほど大地が裂けた。それも見えなくなるほどの距離で遥か遠くに見える山脈が切断されるほどだったのだ。攻撃をブラッディソードで防ごうとしたルシフェルだがブラッディソードは砕け右腕を切断する。


「ユウキさん、少し魔力をおさえてください!」


「ユウキ!どうしちゃったのよ」


 俺はサタンやミネアの言葉が耳に入らなかった。ただミネアとユキネに剣を突き刺したルシフェルを許さない。それしか頭になかったのだ。近づく俺に対してルシフェルは恐怖を覚える。座り込んだまま後退りする。


「く、来るな!来るんじゃない!」


「貴様のやったことは死を持って償え!」


 俺はもう一度タケミカヅチに大量の魔力を纏わせて攻撃をしようと腕を振り上げた。

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