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第4章 魔族VS人間★14★

「一体あの竜巻は‥‥‥‥それにベルゼバブは何をしているんですか‥‥!」


 ルシフェルは衝撃と共に吹き飛ばされる。立ち上がり自分のいた場所を見るとそこには見知った少女がいた。


「サ、サタン。何故あなたが‥‥‥」


「勿論貴方を倒すためです。私の家族がそれを望んでいるので」


「貴女に家族などいないはずではないですか?」


「私は結婚したの。とても強くて優しい旦那様。ユウキさんと」


「ユウキ!あの英雄アレスの血を引く者とですか。これは愉快ですね。魔神最強の貴女が人間となんて」


「私はもう魔神じゃないわ。女神エリスの使徒よ」


「誇り高い魔神を捨て女神の飼い犬になったと言うのですか?そんな事が出来るわけないでしょう」


「エリス様はとても美しく優しい方でしたよ。ユウキさんのおかげで会うことが出来ましたし」


「またユウキとやらが絡んでいるのですね。やはりあの時全力で始末しておくべきでした」


「貴女も早く好きな者を見つけ妻になってみたらどうですか?」


「私は邪神エグゾデス様を崇拝しているんです。この身も心も全て邪神エグゾデス様の物!」


 ルシフェルは腰に下げた剣を抜きサタンに斬りかかってくる。サタンはかわすことなくその剣を受け止める。


「私の強さを忘れたわけではないですよね?」


「サタンこそ私が何時までも昔のままと思ってませんか?」


 サタンが手で受け止めていた剣から別の気配がしとっさに離し距離を取る。


「よく気付きましたね」


「その剣は‥‥‥魔剣」


「はい、私が作りました。苦労しましたよ。オリハルコンを素材に魔物の血で冷却し鍛え上げた魔剣ブラッディソードです。斬った者の血を吸い進化する魔剣‥‥‥‥貴女の血を吸えばさぞ強くなることでしょう」


 サタンはルシフェルをじっくりと観察する。(あの魔剣や新たな魔道具でステータスを底上げしてるみたいですね。前のルシフェルと思わない方がいいかもしれません)


「その才能もう少し他の事に使っていれば、魔族領も違う形になっていたかも知れなかったのに‥‥‥」


「人間の国のようにか?あいつらの方がどろどろした国だぞ。それに引き換え魔族領の方が本能に忠実で良いではないか。弱肉強食、それこそが魔族の在るべき姿だ」


 サタンは首にしていたネックレスを引きちぎる。


「我はサタン!封印されし魔剣よ、我が名に応え姿をかえよ」


 サタンの言葉にネックレスは呼応するかのように光り輝き、サタンの手に1本の剣が握られている。


「そ、それは先代サタンの使っていた魔剣ウロボロス!やはり貴女が持っていたのですか」


「奥の手はギリギリまで見せないから奥の手なんですよ。それでは決めましょうか、どちらの魔剣が強いかを」



 お互い魔剣を手にし全力での戦闘が始まった。



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