第4章 魔族VS人間★10★
「それにしても凄い数だね!」
「そうだな、俺達が来なければアルヘイムは1日ももたなかっただろうな」
「しかし陣形もとらずそのまま侵攻してくるなんて余裕ですね。これならユウキさんが出るまでもないですね。ミネアさん、やりますか」
「任せて。ユウキ、見ててよ」
そう言うとミネアの魔力が高まっていく。すると上空に巨大な魔法陣が現れその魔方陣から雨雲が溢れてくる。魔物の上空を覆った雨雲からは滝のような雨が落ちる。始めは雨を降らせる魔法か?と思ったが徐々にその雨は勢いを増していく。すると魔物達から悲鳴や断末魔が聞こえ始める。よく見ると雨がオークやリザードマンの体を撃ち抜いていく。まるで水の銃弾のようだ。雨が全て銃弾と化して上空から襲い掛かってくるのだ。どうやっても避けることなど出来ない。俺は直ぐにミネアに魔力回復薬を飲ませる。
「あ、ありがとうユウキ」
「ミネア、凄いなあの魔法。ウォーターカッターと違って一撃の殺傷能力は低いが今回みたいな大群相手には効果抜群だな」
「本当です。私もあんな魔法始めて見ました。私も負けていられませんね」
ミネアに負けてられないとサタンもやる気十分だ。サタンが魔力を込めると地面に巨大な魔法陣が現れる。その魔法陣から光が立ち上ぼり数百体の魔物が閉じ込められた。とじ込められた魔物はそこから出ようとするが光の檻は魔物を逃がさない。すると中に閉じ込められていた魔物が急に苦しみだし胸を掻きむしり倒れていく。暫くすると閉じ込められていた魔物はピクリとも動かなくなった。
「サタン、もしかしてあの檻の中を真空にしたのか?」
魔力回復薬を飲み終えたサタンがコクりと頷く。確かに魔物であっても酸素がなければ活動は出来ないが、それを戦闘に使おうとは流石魔神トップだっただけはある。
「流石に魔神をあの檻の中に閉じ込めるのは難しいですが、あの程度の魔物なら光の檻を破ることは出来ませんからね」
ミネアとサタンの魔法で魔物の数はおよそ3割程に減った。ここからは敵も警戒してくるだろう。
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「騒がしいですね。一体どうしたんですか?」
「ルシフェル様!報告します。敵の攻撃を受けました。死んだオークとリザードマンの数はおよそ1500!」
「人間ごときにそんな数が‥‥‥まさか」
「ルシフェル、俺が行かせて貰うからな!幾ら糞弱いオークやリザードマンだろうがここまで殺られたんじゃ少しお仕置きしてやらなきゃいけないしな」
「‥‥‥わかりました。でも貴方も気を付けるんですよ」
「そんな事は俺じゃなく自分にいい聞かせな!」
ベルゼバブは上空からワイバーンを1体呼び寄せそれに乗り前線へと向かった。




