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第4章 魔族VS人間★5★

 ギルドの中は冒険者が数人しかおらず、それも装備を見る限り良いとこDランク位だろう。俺は受付の女性に話し掛ける。


「スミマセン、カルナディアから来ましたSランク冒険者のユウキと言います。ギルド長は居ますか?」


「カルナディアから?あんたも魔族討伐の連合軍に入りに来た口かい?無駄だよFランク程度の冒険者は邪魔にしかならないからね」


「FランクではなくSランクです」


「‥‥‥‥あんた今Sランクって言ったかい?」


「はい。闘神の2つ名を頂いてますけど知りませんか?」


「その全身真っ黒で魔王を思い浮かべさせる装備、そして対照的な整った顔‥‥‥まさか〔闘神〕のユウキ様ですか!それにそちらにいるのは〔魔女〕のミネア様!それに〔雪月花〕のユキネ様!」


 どうやら俺達のことがわかったようだ。それにしてもユキネの2つ名が〔雪月花〕とは知らなかった。ユキネにピッタリの2つ名だ。


「ギルド長は奥の部屋におられます」


 俺達は受付の女性に案内されてギルド長室に入る。いきなりの来客にめんどくさそうな態度をしていたが、受付の女性に耳打ちをされると急に態度が変わった。


「Sランクの冒険者の方々がこんな小さなギルドにいらっしゃるとは思いませんでした。私はアルヘイムのギルド長をしておりますルイと申します」


 挨拶をしたギルド長のルイさんは申し訳なさそうに頭を下げて来た。俺達はソファーに腰を掛けるとルイさんが話始める。


「それで今日は一体どのような御用件でしょうか?」


「魔族の大群がアルヘイムに侵攻しようとしていることは知っていますよね?その件で魔族の情報を知りたくて来ました」


「ユウキさん達はアルヘイムが指揮を取る連合軍には参加されないのですか?」


 俺は事情をルイさんに話す。するとルイさんが笑顔になり話始める。


「さぞや聖女は悔しがっているでしょう。ユウキさん達はこのギルドを見て何か感じませんでしたか?」


「少し活気がないかなぁとは思いますけど」


「それにカルナディアに比べて建物も質素だしね」


「今現在カルナディアにいるSランクは私だけで、他の冒険者も高くてCランク程の冒険者しか居ないんです。人数も20人にも満たないです」


 ルイさんの話を聞いて驚いた。そのクラスの冒険者では手に終えない依頼も沢山あるだろうし、冒険者の人数もその程度では大型の魔物の討伐なんか出来やしないだろう。サタンが1つ疑問に思ったようで口を開く。


「何故このようなことになったのですか?」


「全ては聖女のせいなのです。才能ある若い冒険者や高ランクの冒険者を金で引き抜いてしまうのです。そしてそのまま宮廷魔術師として国の兵にしてしまうのです。マーリンやシヴァも元はこのギルドのSランク冒険者でした」


「確かに冒険者として命を掛けるよりも、高い給金を貰って宮廷魔術師になる方が安全だからな」


「しかし今回の魔族討伐に関して、我がギルドが先陣で魔物を食い止めろと言ってきたのです。戦力を奪っておきながら最前線へ冒険者を送るなんて、我等に犬死にしろと言っているのと同じです」


「そんな酷いことを聖女は言ってきたんですか‥‥‥」


 俺は良いことを1つ思い付いた。これにはサタンに協力してもらわなければいけないので、こっそり耳打ちをするとサタンは笑みを浮かべて頷いた。


「ルイさん、ここのギルドの代わりに俺達が最前線へ出ますから心配しないでください。それに無事魔族討伐が終わったら面白いものを見せますから」


「本当ですか。助かります。それではユウキさん達にはまだ聖女に話していない魔族の戦力等の情報をお教えします。私はSランクですけど戦闘よりも情報収集が専門の冒険者ですので」


 ルイさんはテーブルの上に地図を広げ今の魔族の場所や戦力等を説明し始めた。





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