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第4章 新しい刀★6★

「ジャスティ王、これ以上話すことはないようですね」


 流石に俺も我慢の限界だ。ライルさんを残し俺達は部屋を出た。ライルさんとジャスティ王は、貴族が話をした瞬間俺が怒るのがわかった為にあんな表情をしたのだ。


「さぁ、帰るか」


「良かったのですか?あの方がこの国の王なのですよね?」


 サタンが心配をして聞いてくる。見た目は少女だが伊達に年は重ねていないようだ。


「俺は生まれで人を差別するのが嫌いなんだ。庶民にだって実力がある者はいるし、貴族に生まれたからといって人として優れているとは限らないからな」


「私は貴族の生まれだけどあんな連中と一緒にしないでよね」


「わかってるって。同じだったら好きになんかならないからな」


 ミネアは機嫌を良くして手を握ってくる。帰り道、俺はサタンにまだゴッドジュエルの指輪を渡してないことを思いだし、女性達には先に帰ってもらいマサムネに急ぎで作って貰った。その日の夕食の後、皆が揃っているところでサタンに話をした。


「サタン、これを受け取ってくれないか?」


「この美しい指輪は‥‥‥」


「俺と結婚する女性にはゴッドジュエルで作った指輪を渡しているんだ」


 本の王子様に憧れていたサタンはとても嬉しかったようだ。サタンは背も低いので本当の王子様がお姫様に指輪を渡すように片膝をついて渡したからかもしれない。指輪を指にはめてあげた後ゴッドジュエルの効果をサタンに話した。


「女神様からレアスキルを貰えるなんてそんな宝石があるなんて‥‥‥でも私は魔族だけど大丈夫なのかな‥‥‥」


「サタン、俺と手を繋いだままその指輪に願ってみて」


 不安がっていたサタンと手を繋ぎサタンは目を閉じて願う。すると光に包まれ目を開くとそこは何度か見た景色だった。


「久し振りですねユウキさん。新しい生活を楽しんでいるようね?」


「エリス様、お久し振りです。厄介事に巻き込まれているの知っていて話してますよね?」


「私はあくまでも新しい奥さんの事を言っているだけよ」


 俺がエリス様と親しげに話しているのにサタンは驚いている。魔族は邪神を信仰していたはずだし対立する神に会ったのだから仕方がない。


「あなたがサタンちゃんね。そんなに緊張しなくても良いわよ」


「は、はい」


「ユウキさんから聞いてるとは思うけど、貴女の願いの強さによってどんなスキルになるか決まるから強く願ってね」


「あの‥‥‥私は魔族です。それも邪神を崇拝していた魔神です。それでも女神様からスキルを頂いても良いんでしょうか‥‥‥」


「ユウキさんが選んだ女性ですもの、それともまだ邪神を崇拝しているんですか?」


「いえ、今は邪神のことは。ユウキさんがエリス様を崇拝しているのであれば私もエリス様を崇拝します」


 俺は吹き出してしまった。そもそもエリス様のミスで俺は死んでしまったから、崇拝どころかエリス様に貸しがあるのだ。吹き出した俺を見てエリス様は此方を睨む。本当の事は言うんじゃないという合図だ。


「な、なら構いません。それでは始めますね」


 サタンが目を閉じて願いを込める。するとサタンの体が光輝いた。



 

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