第4章 魔神撃退戦★6★
ラファエルの魔法がミネア達に当たる前に、俺はミネア達の前に立ち塞がった。ミネアとユキネもいきなり離れた場所に俺がいたのにいつの間にか自分達の前に現れたことに驚いている。俺はラファエルの放った魔法を防ぐ為に天照に魔力をありったけ込める。ただしいつもと違うのは属性を1つではなく2つ付与する。火と光の属性だ。体から魔力が物凄い勢いで減っていくのがわかる。俺はラファエルの魔法に向かって全力で天照を振り下ろす。聖なる炎の斬撃がラファエルの放った黒く燃え盛る竜を切り裂き、その斬撃は威力を失わないままラファエルを切り裂いた。その瞬間天照は粉々に砕けちってしまった。
「これ程とは、ワイバーン達が倒された時に退いておくべき‥‥で‥‥した‥ね」
俺は魔力枯渇で意識を失う寸前にラファエルが灰になり崩れ落ちるのが見えた。
「んっ、まだ頭がぼーっとするな」
目を覚ますと精霊の森で俺が泊まらせて貰った部屋だった。ベッドの横にある椅子にはミネアとユキネが座りながら眠っていた。ミネアとユキネが無事だと言うことはラファエルは死んだのだろう。
「ん、ユウキ!目を覚ましたのね。大丈夫?」
「ユ、ユウキさん!大丈夫ですか!」
「まだ少し頭がぼーっとするけどな。ラファエルはどうなった?」
「ユウキさんの攻撃を受けて死んだようです。灰になってしまったので何も残ってませんけど」
「精霊の長達は?」
「ユウキ程じゃないけど魔力枯渇を起こしていたわ。皆目を覚ましているから大丈夫よ」
すると部屋をノックする音がした。入って来たのはライトニングだった。
「ユウキ、目を覚ましたのね。今回は足を引っ張ってごめんなさい。本当ならば私達長が何とかしなければいけなかったのに‥‥」
「気にするなよ。長達から加護を授かっていたからラファエルを倒せたんだ。それに今回は作戦が上手く行ったからなんとかなったけど、初めから1人だと確実に負けていたからな」
「それでユウキ、大丈夫なのであれば精霊王様がお話をしたいそうなのだけれど」
「わかった」
俺は念のためヒールを使ってから精霊王様の元に向かった。ライトニング以外の長も集まっていた。
「ユウキさん、ミネアさん、ユキネさん、今回は本当にありがとうございました。皆さんの協力がなければこの地は滅び精霊樹も奪われていたでしょう。それにしてもユウキさん、ラファエルを撃退するのではなく倒してしまうとは思ってもみませんでした」
「まさか俺も倒せるとは思ってませんでした。無我夢中で放った技がたまたま当たっただけですし」
「謙遜しないで下さい。実力がなければたまたまでも当たることはないんですから。それとお話ししていた私の加護ですが皆さんに授けたいと思います。近くにいらしてください」
精霊王様が俺達の額にキスをする。すると俺達の体が光り鑑定で見てみると精霊の加護が精霊王の加護に変わっていた。
「長達の加護よりも各属性の魔法の威力と魔力が上がったはずです」
結果的に魔神を倒すために加護を授かろうとしたが、魔神を倒して精霊の加護よりも上の精霊王の加護を授かった。




