第4章 魔神撃退戦★1★
俺達は部屋を一旦出た。
「ねぇユウキ、いったいどんな魔法を使うつもりなの?」
「それなんだけど‥‥‥特に決めてないんだよな」
「えっ!それってまずくない?」
「俺は魔術の極みのスキルを持っているからイメージさえ固まれば問題はない」
心配そうな顔を浮かべながら俺を見ている。俺はどんな魔法を使うか考えてみる。前に使ったメテオでは少し火力不足だ。現実世界で1番の火力があるものを考えたが核はまずいと思い却下した。後はゲームやアニメ、漫画などありとあらゆる記憶から最適な物を考える。やっぱり俺の全魔力を消費する代わりに大爆発を起こす的なやつになるかなぁ等とと考えた。
「ユウキさん、そろそろ魔族が草原に来ます。準備は宜しいですか?」
「魔力の回復薬は大丈夫ですか?」
「私が持ったので大丈夫ですよ。ユウキさんが魔力を使いきったら直ぐに使いますので」
「お願いしますウェンディーネ。多分魔力枯渇を起こすと思いますので」
俺達は転移で草原まで来た。遠くに見える空はワイバーン等で黒く染まっており魔神ラファエルの物と思われる禍々しい気配を感じる。
「皆俺から離れていてください。巻き添えを食うと大変ですから」
ミネア、ユキネ、ライトニング、ウェンディーネはそこまででもないが、他の精霊の長達は本当に俺に出来るのかと疑っている。俺はワイバーンの群れに向かい魔法を使う。するとワイバーンの群れの中に立体の魔方陣が現れる。それにともない体から魔力がごっそりと抜けていくのがわかる。魔方陣は最初直径100メートル程あったがどんどん小さくなり1メートル程になる。
「お前ら散れ!」
ラファエルと思われる人物が大声を上げてワイバーン達に指示を出すが遅かった。小さくなった魔方陣は大爆発を起こす。俺達からワイバーンの所までかなりの距離があったがミネア達は爆風で吹き飛ばされそうになっている。俺が魔力枯渇で意識がもうろうしているなか見えた光景は核爆弾の爆発に似ていた。
「ユウキさん。回復薬薬を使いました。大丈夫ですか?」
もうろうとしていた意識がはっきりとしてきた。
「ありがとうございます。敵の様子はどうですか?」
「殆どのワイバーンは倒したように見えるけど‥‥‥」
「1頭のアサルトワイバーンらしき魔物は直撃を免れたようです。背中に乗っていたラファエルらしき者が、魔法で防御しているのが僅かに見えたので」
爆発の煙が段々と晴れてくると爆発の大きさを物語るほどの巨大なクレーターが出来ていた。




