第4章 精霊の森★9★
翌日は精霊達に起こされて朝食を食べているとライトニングが慌てた様子で食事の席に駆け込んできた。
「ユウキ大変だ!魔神が攻めてきた!直ぐに精霊王様の所に来てくれ!」
「なんだよ魔神の奴。朝飯くらいゆっくりと食わせて欲しかったぜ」
残ったパンを口の中に詰め込み俺達は精霊王の所に向かった。精霊王のいる部屋には各属性の精霊の長が集まっていた。
「ユウキさん!急にお呼びしてスミマセン!」
「それで状況は?」
俺の問いに、話し掛けてきたウェンディーネだけでなく他の長達の表情が険しくなる。
「‥‥‥アサルトワイバーンが10体、それを警護するようにワイバーンが100体程。ラファエルは1体のアサルトワイバーンの希少種らしい魔物に乗って向かって来ております。まさかこれ程の戦力で来ているとは‥‥‥」
「そ、そんな‥‥‥」
「ひゃ、100体ですか・・・」
「精霊王様、魔力を全回復する薬とかってありますか?」
「それならばありますが・・・精霊樹の葉から作れますし。むしろラファエルの狙いの1つでしょう」
「ならなんとかなりそうですね」
「「!!」」
話を聞いていたミネアとユキネだけでなく精霊達も驚いていた。
「いったい何をするのですか?」
「最大火力で魔法を使います。多分魔力が空になるでしょう。なので回復してもらえれば助かります」
「でもいったいどんな魔法を?」
「あえて言うなら極大殲滅魔法?ですか・・・」
「せ、殲滅ですか・・・」
「だ、大丈夫ですよ。この森には被害が出ないようにしますから」
「で、でもユウキ、いったいその魔法でどれくらい倒せそうなんですか」
ライトニングが少し不安そうな声で聞いてくる。確かに極大殲滅魔法と言われても想像がつかないだろう。
「ん~、多分前に戦ったワイバーンやアサルトワイバーンなら9割は倒せると思う」
「そ、そんなに‥‥‥」
「ユウキさん。それだけ出来るなら加護なんていらないのでは?」
「俺は世界がどうなろうと余り興味はありません。ただ俺の妻達に危害が及びそうなら容赦はしません。俺の最優先事項は妻達ですから」
俺は真顔でそう答える。ミネアとユキネはその話を聞いて喜んでいるが精霊の長達は口を開けて驚いている。精霊王に至っては声を上げて笑っている。
「貴方と言う人は‥‥‥。ミネアさん、ユキネさん、本当に良い伴侶を見つけましたね。私も人間だったら心奪われていたでしょう」
「早速準備に取り掛かりましょう。敵は何処から来るんですか?」
「前にユウキと私が転移した場所を通って来ます。あそこなら被害は少ないと思いますけど」
「ならば敵がそこに来たら魔法を放ちます」
俺達はラファエル撃退のために準備に取り掛かった。




