第4章 精霊の森★4★
「俺達は人間ですよ。精霊の森に行こうとしていた所です」
「私達の精霊の森にですか!何故人間が精霊の森に!そもそもこの次元の狭間にどうやって来たのですか?」
やはりこの場所は普通の場所ではなかったようだ。俺達のいる世界と全くの別世界ではないようだが、普通の人間ではこの次元の狭間にこれないようだ。
「俺の転移のスキルで来ました。前にライトニングと来た時があったので」
俺がライトニングの名前を出したことに精霊は驚いていた。
「貴方はライトニングの知り合いでしたか。どおりで雷の魔力が強い筈です。加護を授かっているのでしょう」
幾らか俺達がここにいる事に納得してくれたようだ。
「お礼がまだでした。先程は助けていただきありがとうございます。私の名前はウェンディーネと言います。水の精霊です」
「俺はユウキ、こっちは妻のミネアとユキネです」
「「宜しくウェンディーネ」」
「ユウキさん達は何故私達の精霊の森に行こうとしていたんですか?」
俺は魔族がいずれ攻めてくること。そして魔神には今のままでは勝てないのでライトニング以外の精霊の加護を授かれないかと思い精霊に会いに来たことを伝えた。
「そういう事でしたか。魔神とは厄介な者に目をつけられましたね。私でよければ助けて頂いた恩もありますので加護を授けることは出来ますけど」
「本当に!お願いウェンディーネ」
「わ、わかりましたから。ミネアさん、そんなにくっつかないで下さい」
俺達はウェンディーネから水の精霊の加護を授かる事が出来た。
「加護は精霊が力を認めた者にだけ授けるのですが、あなたたちなら問題はないでしょう。それでこの後どうしますか?もしよければ私と一緒に精霊の森に行きますか?」
「お願いします。出来れば他の精霊にも認めてもらって加護を授かりたいんで」
「わかりました。でも本当なら人間が加護を1つでも持っていたら凄いんですけど‥‥。それでは行きますか」
「ねぇウェンディーネ。さっきのアサルトワイバーンとかは良く出るの?」
「アサルトワイバーンは本当ならこの辺りには現れるはずないんですけど‥‥‥この次元の狭間でも何かが起きてるようなので油断はしないで下さい」
「わ、わかったわ」
真剣な眼差しのウェンディーネを見てユキネは少し緊張したようだ。俺達はウェンディーネの案内で精霊の森に向かった。




