第4章 精霊の森★2★
「ここが精霊の森の近くの草原か‥‥‥なんか嫌な感じがするわね‥‥‥」
確かに前にライトニングに連れてこられたときは気が付かなかったが少し変な感じがする。もしかして世界自体が違うのかとも思ったが、前にエリス様が異世界に転移するのは神じゃないと出来ないようなことを言っていたので違うだろう。
「確かになんかヤバそうな感じがするな‥‥‥!ミネア、ユキネ!臨戦態勢をとれ!魔物だ!」
急に俺の気配感知に悪意のある気配が引っ掛かった。すると上空から炎のブレスが降り注ぐ。ミネアがウォーターウォールでそのブレスを防ぐ。上空にはドラゴンに良く似た魔物がいた。俺は鑑定を直ぐ様使う。
ワイバーン
LV 98
種族:ドラゴン
体力:1320
魔力:285
筋力:980
耐久:921
俊敏:685
スキル: 〔火魔法LV8〕 〔風魔法LV8〕 〔ブレス〕
「ワイバーンだ。強さはこの間のベヒーモスよりも上だ。火魔法、風魔法共にレベル8、後はブレスに気を付けろ!」
「「わかった」」
俺は直ぐにサンダーボルトを唱える。ワイバーンに直撃するが一瞬動きを止めた程度で余りダメージは与えれてない。上空で飛行されたままだと直接攻撃が出来ないのでなんとか地上に下ろさせないといけない。
「ユウキ、任せて!」
ミネアが合成魔法のウォーターカッターを使う。ただ今回はベヒーモスの時と違い切断するのではなく、ワイバーンの羽を貫通させただけだ。だが効果はあった。ワイバーンは飛行が出来なくなったようで地面に落ちてくる。
「良くやったミネア!ユキネ、行くぞ」
「はい!」
俺とユキネは刀に手を掛け、ワイバーンに向かって走り出した。ユキネは俺と殆ど変わらない速さでワイバーンに向かっている。神速のスキルと白雪の効果でかなり俊敏が上昇しているようだ。俺が右前足を、ユキネは左前足を攻撃する。俺は魔力を天照に流す。特に属性は付与していない。
「グォー!」
ワイバーンは声を上げて前のめりに倒れる。俺だけでなくユキネも見事に足を切断して見せた。
「ユキネ!とどめだ!」
ユキネは1度鞘に白雪をしまい、居合でワイバーンの首を落として見せた。
「ユウキさん。この刀凄いです!こんなに軽いのに斬るときに余り抵抗を感じないんです。恐ろしい切れ味です‥‥‥」
流石ムラマサとマサムネさんだ。ワイバーンは多分Sクラスの魔物だろう。白雪を手に入れる前のユキネならここまで出来なかっただろう。後で礼を言っておかないとな。そんな事を思っているとまた俺の気配感知に魔物がかかった。それも1体ではない。
「ミネア、ユキネ。まだ気を抜くなよ。どうやらこいつ1体ではないようだ」
「うそ‥‥‥」
上空を見上げると10体程のワイバーンがこちらを威嚇していた。
「簡単には精霊の森に行けないようだな。ミネア!ユキネ!行くぞ!」
「はい、ユウキさん」
「もぉ、仕方ないわね。援護は任せて」
ミネアもユキネも強くなるために逃げるという選択をしなかった。俺達はワイバーン10体との戦闘をすることになった。
鑑定等では同一の上昇系のスキルは効果が1番高いものが表示されます。ユキネの様に神速のスキルと俊敏上昇・大がある場合ステータスには神速のスキルのみ表示になりますが、俊敏上昇・大の効果も付与されています。




