第1章 転生しました‼ ★15★
俺の魔力闘衣を見てライルさんは驚いている。確かにこれで金髪だったらアニメの主人公と変わらないからわからなくもない。だが早めに勝負を決めないと、このスキルは体への負担が大きいので俺は全力で攻撃をする。
ライルさんは物凄いスピードで俺の攻撃を回避しようとする。さっきまでと違い俺はその動きについていける。むしろライルさんよりも早いくらいだ。袈裟斬りした俺の攻撃を紙一重でかわしたが俺はそのまま斬り上げる。俗に言うつばめ返しだ。ライルさんは間に合わず天井近くまで打ち上げられる。俺はすぐさまジャンプしライルさんを追い越し剣を振り下ろすとそのままライルさんは床に凄い勢いで叩きつけられた。ライルさんは何とか起き上がろうとするが膝から崩れ落ちる。
「勝負あり!勝者ユウキ!」
レイラさんが俺の勝ちを宣言する。俺はそれを聞き終えると倒れてしまった。微かにユーリさんの心配する声が聞こえたがそのまま意識を失ってしまった。
目を開けると見知らぬ天井が見える。また気を失ったのかと思っているとユーリさんが声を上げる。
「ユウキさん、大丈夫ですか!」
「俺はどのくらい気を失っていました?」
「大体二時間位です」
俺は体を起こそうとすると身体中が痛む。しかし前に魔力闘衣を使った時ほどではなく、レベルが上がりステータスが上昇したおかげだろう。俺は起き上がろうとするとユーリさんが止める。
「無理しないで下さい」
「大丈夫ですよ」
俺はヒールをかける。前ほどの痛みはないのでヒールで身体中の痛みは無くなった。
「ライルさんは?」
「ユウキさんより少し前に目を覚ましてますよ。今呼んできますね」
ユーリさんが扉を開けた所で立ち止まり振り返る。
「ユウキさん、とってもカッコ良かったですよ」
そのまま扉を閉めユーリさんはライルさんはを呼びに行く。
(ちょっとやり過ぎたよな‥‥Sランクに勝ったわけだし、あんまり目立つつもりはなかったんだけどな)
しばらくするとライルさんとレイラさんがやって来る。
「大丈夫かいユウキ君?」
「はい。もお大丈夫ですよ」
「それにしてもまさか負けるとは思わなかったよ。最後の魔力闘衣という技は一体?」
「あれは身体に魔力を纏わせて戦う技です。属性も付与出来るんです。あの時は雷の属性を付けて身体能力を電気の力で極限まで上げたんです。その代償がこのざまなんですけどね」
「とんでもない技だね。他の属性付与の効果は?」
「まだ試したこと無いんですよ。レベルやステータス的にまだ使いこなす自信がないんで」
「負けた私が聞くのは間違っているのはわかっているが、答えれることだけでいいから教えて欲しい。君は一体どんなスキルを持っているんだ」
俺は〔武術の極み〕〔魔術の極み〕〔アイテムボックス〕〔鑑定〕〔詠唱破棄〕〔魔力闘衣〕の6つを教える。〔成長の極み〕〔言語翻訳〕は教えなかった。〔成長の極み〕はまさにチートの代表みたいな効果だし、〔言語翻訳〕はこの世界の人間ではないと言っているような物だからだ。俺の話を聞いたライルさんとレイラさんは唖然としている。
「君は神様か何かの生まれ変わりなのか?」
実際のところ、当たらずしも遠からずと言うところだ。女神様が神様一歩手前のようなスキルだと言っていたし、ユウキは実際、転生者なのだ。
「そんな事あるわけないじゃないですか」
俺は少し気まずそうに答える。
「負けた私がこれ以上詮索するのはルール違反だな。ただ最後に1つだげ答えて欲しい。君は魔族ではないな?」
「!?違いますよ。魔族に似てるんですか?」
「あんた自分の姿わかって言ってるの?」
特に俺の姿で変わった所はない。勿論頭に角もないし、羽も尻尾もない。
「髪も眼も黒くてこの国では殆ど見ることはないのに、今日は着てる服も黒一色。黒い革鎧に黒いマント。怪し過ぎるよ」
マジでへこんだ。何か黒って格好良いなぁ程度だったのに魔族と勘違いされるなんて。レイラさんは笑いながら喋る。
「そんなに落ち込むなよ、2つ名はまた違うの考えるから」
「えっ?何で2つ名何ですか?」
「Sランクの私に勝ったんだ。昇格は当たり前だろう。とは言っても私の権限で昇格を許可出来るのはAランク迄だが」
「それであんたの2つ名を考えていたんだけど候補が2つあってね。〔魔王〕と〔死神〕なんだけどね‥‥ブフッ」
レイラさんが吹き出しながら笑う。
「却下でお願いします!」
ライルさんとレイラさんは笑いながら了解してくれた。しかしレイラさんが小声で「また面白いの考えなきゃ」と言っていた。
ともかくどうやら俺はAランクに昇格したようだ。
これで第1章終了です。次話より2つ名を貰い、第2章に突入です。更新ペースは変わらないのでブックマーク&評価宜しくお願いします。
 




