第3章 報告★13★
明日は遂に屋敷のリフォームが終わる日だ。明日はもう一度王宮に行って、ジャスティ王に引っ越しの報告をして、そのままギルドに行ってライルさんたちにも報告することにした。普段通りの時間に起きて朝食を済ませて早速王宮へ向かった。入り口の女性騎士にジャスティ王へ取り次いで貰いいつもの部屋で待っていた。
「おはようユウキ。今日はどうしたんだ?」
「実は明日引っ越すことになりまして。前に貰ったお金で買った屋敷のリフォームが今日終わるんです」
「ほぅ、そうか。それでどこの屋敷を買ったんだ」
俺は場所を説明するとジャスティ王は驚いていた。
「あのしばらく買い手のつかなかった屋敷か‥‥街の者は幽霊が出ると噂していたが大丈夫か?」
俺は幽霊等ではなく雷の精霊だったこと。そしてその精霊から加護を貰ったことを伝えた。
「まさかあの屋敷に精霊が住み着いていたとは。しかも加護まで貰うとは。益々ユウキは英雄へと近づいているな」
「英雄アレスも加護を貰っていたんですか?」
「あぁ。6つの属性全ての加護を持っていたらしい。本当の所はわからないがな」
「そうですか‥‥‥」
引っ越しをしたらのパーティーをしてゴエモンさんは日の本の国に帰る話をするとジャスティ王は俺に聞いてくる。
「勿論俺も行って良いんだよな?」
「ジャスティ王もですか!」
「俺だって元は冒険者だ。王族がする堅苦しいパーティーは好きじゃない。たまには息抜きをしたいのさ」
「わかりました。でも護衛とかは」
「それは大丈夫だ。バレないように抜け出して俺1人で行くから心配するな」
「それならば良いですけど」
「楽しみだな。勿論ライルも来るんだろ?久し振りに飲み比べだな」
予想外にジャスティ王も来ることになってしまった。本人は楽しみにしているみたいだが、周りが気を使わなければいいんだが。俺は王宮を後にしてギルドに向かった。ギルドに着くとユーリがいた。
「おはようございます、ユウキさん」
「おはようユーリ、明日引っ越しだけど大丈夫か?」
「明日は仕事は休みを貰ってますし、家の方はあらかた片付きました。今使ってる家具よりも良いものを買って貰いましたし、殆ど処分するので楽でした」
「そうか、明日は朝食が済んだら宿屋に来てくれ。ユーリの家に寄って俺が荷物をアイテムボックスに入れるから一緒に行こう」
「はい、わかりました」
俺はユーリと話をした後ライルさんの部屋に行く。丁度レイラさんも居たので明日の引っ越しのパーティーの誘いをする。勿論ジャスティ王が来ることも伝える。
「ジャスティも来るのか?またアイツは自分の立場も考えず‥‥‥」
「たまには息抜きをしたいようですよ。ライルさんと飲み比べだと張り切っていましたから」
「あのバカ‥‥‥すまないユウキ君」
「気にしないで下さい。明日はレイラさんと来て下さい」
ギルドを出るとユキネが何か気付いたらしく話をする。
「ユウキさん、パーティーをするにしても料理は私達が作るんですよね?食材とかは‥‥‥」
「!すっかり忘れてた‥‥‥。確かアイテムボックスにまだワイルドピッグがまだあった筈だけど肉だけって訳にもいかないし」
俺達は明日の食材を買うことにした。ユキネはマサムネのお母さんから料理を教わって料理スキルも覚えているので問題ないだろう。ユーリもサリーも料理は出来るしミネアも一応料理スキルは持っているようだし。俺達は必要になりそうな食材や調味料、お酒を山のように買い込んだ。アイテムボックスに入れておけば腐る心配はないので、仮に明日使わなかったとしても無駄になることはない。特に飲み比べをすると言っていたので酒に関してはかなりこだわって買った。年代物の葡萄酒やビールに似た味のするエール、偶々入荷したと言う日の本の国のお酒も買った。結局お酒だけで金貨5枚分も買ってしまった。
「これだけの買えば足りなくなることはないだろう」
「当たり前よ。酒場が出来るくらいの量を買い込むんだから。ユウキはもう少し節制することを覚えないといけないわよ」
「気にするなよ。お金でお前たちを困らせる事は絶対にないから」
「まぁユウキなら1回の以来で金貨数10枚稼ぐから大丈夫だろうけど」
「ムラマサさんやゴエモンさんもいるんだぞ。今回は念のためだよ」
昨日マサムネの所に行った時に明日のパーティーの事は伝えているので皆で来てくれるだろう。宿に戻る前に今回新たな屋敷を買った店に行くとリフォームは終わったらしく屋敷の鍵を貰って宿に戻った。明日は引っ越して新生活始まる。俺は早々とベッドに入りワクワクしながら眠りについた。




