第3章 報告★7★
「おいマサムネ、ムラマサさん!」
固まっている二人に俺は声を掛ける。
「わ、悪い。まさかドラゴンの素材を見るとは思ってもいなかったからな。ユウキ、金はいらない。是非俺達にこの素材を使ってお前の防具を作らせてくれないか?」
「お金は払いますよ」
「わかってないなユウキ。鍛冶師としてドラゴンの素材を使えるなんて金を積んだからって出来ることじゃない。逆にお礼を言いたい位なんだよ。そうだろ親父?」
「そう言うこった。だから気にしなくて良い。勿論嬢ちゃんの刀も金はいらない。氷鉄鋼だって今扱える鍛冶師はいない位貴重な素材だ」
「わかりました。それではお願いします」
俺は素材を渡して1度新しい家の進み状況を見に行った。屋敷の前に着くと始めて見た時とは違い庭も整備されていて外観は見違えるようになっていた。かなりの人数で作業をしているようでその中でも1番てきぱきと作業している女性がいたので話し掛けてみた。
「すいません。この家の修繕を依頼した者なんですけど責任者の方はいますか?」
「私が今回このお屋敷の修繕を依頼された店の代表ですけど、貴方がこのお屋敷を買った人ですか?」
「はい、タカミヤユウキと言います。今度結婚するのでそれなりの家が欲しかったので。このお屋敷も色々と曰く付きだったんですけど問題も解決したので安く買えたんです。でもかなり放置されていたみたいで‥‥」
「け、結婚ですか‥‥‥そうですよね。貴方みたいな人が独り身なわけないですよね‥‥」
あからさまにガッカリしていたが俺は完成の予定を聞いた。
「この屋敷を売ったお店から大至急と言うことで依頼を受けていたので後3日もあれば終わりますよ。外観は終わってるので今は中を作業しています。何しろ他の仕事を後回しにして従業員全員で作業していますから」
この屋敷を売ってくれた店の店主が気を効かせてくれたらしい。となればそろそろ足りない家具も買っておかなければ行けない。前に見た時は家の中にあった家具はボロボロで使えそうになかったので全て買わなければならないだろう。残金を確認したがまだ金貨100枚位ある。1度ギルドによってユーリに明日の予定を聞いたら明日は休みらしいので一緒に家具を見て回らないかと誘った。ユーリは二つ返事でOKだった。やはり新居の家具を選ぶのは嬉しいようだ。勿論宿屋に戻っておかみさんに許可を貰いサリーも一緒に行くことにした。




