第3章 報告★5★
「それでユウキ様、選挙とは一体どうやってやれば良いのでしょう?」
「ゼクトさん、ユウキ様はやめてください。ユウキで良いですよ。選挙はまず領主になりたい人を立候補で集めます。ただ初めての事なので、やましいことを考えた人が立候補しないように推薦人が30人以上いる事等の要項を決めた方が良いでしょう」
「成る程。支持者がいないと立候補が出来ないと言うことですな」
「はい。なので立候補前に自分の考えや方針を発表出来る場があれば良いでしょう。その考えに賛同する人がいれば立候補出来ますし。立候補者が決まったら一定の選挙活動の期間をもうけた後、住民全員を対象にして誰に領主になって欲しいか投票して貰うのです」
「1番支持を得られた人が領主になると言うことですね」
「ただ初めの何ヵ月かはゼクトさんの仕事の引き継ぎ等教えることもあるでしょうから、その後に交代することになるでしょう。勿論ゼクトさんが領主を続けるのであればやる必要はないですけど」
「私もミネアを見習ってやりたいことをしたいと思います。流石に旅に出るのは難しいので、今まで旅に出て調べたことなどを本にしたいと思います」
「良いですね。本にするとなるとお金もが掛かるでしょう。ミネアの結納金としてこれを受け取ってください」
「結納金?」
「俺の生まれた国では結婚するときに男性が女性の家に渡すんですよ。なので気にしないで受け取ってください」
俺はアイテムボックスから金貨を50枚取り出した。領主の娘の結納金として妥当かわからないが日本円で五千万なら良いだろう。
「こ、こんなにですか!」
「気にしないで下さい」
ゼクトさんが驚いたことからこの世界でもかなりの金額のようだ。するとゼクトさんの奥さんから夕食のお誘いを受けた。俺達は夕食をご馳走になることになった。




